2024年11月24日( 日 )

台湾エクセレンスが海を渡って東京にやってきた!

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台湾を代表するブランド製品を一堂に集めた展示

「KITTE」1F アトリウム全景

 6月16日(金)から18日(日)まで、東京駅前のJPタワー商業施設「KITTE」1Fのアトリウムにおいて、台湾を代表するブランド製品(33社76製品)を一堂に集めた展示体感イベント「2017 TAIWAN EXCELLENCE in Tokyo」(主催:中華民国経済部国際貿易局、実施:台湾貿易センター(TAITRA))が開催された。対象分野は情報通信、交通及びスポーツ・レジャー(自転車、スポーツウェアなど)、ホーム・リビング(サキソフォンなど)、ヘルスケアと多岐に渡っている。痒いところに手が届くユニークな製品も多かった。

 さらに、特別ステージでは、台湾で活躍する女優・田中千絵さんのスペシャルトークショー、受賞作品でもあるサキソフォンの生演奏、台湾式獅子舞パフォーマンスなどが行われ、訪れた人の目、耳を楽しませた。「TAIWAN EXCELLENCE」展示体感イベントは、第1回を福岡で開催して以来、各分野で注目を集め今年で4回目となる。台湾エクセレンスのシンボルは現在102カ国で認知され、今年は同イベントの開催を世界33カ国で予定している。

見本市や展示会で目にするシンボル「台灣精品」

 台湾の大きな見本市や展示会に行くと必ず目にするシンボルが「台灣精品」(TAIWAN EXCELLENCE)である。同賞は自転車産業のジャイアント、メリダ、ストライダ、情報通信産業のACER、ASUS、HTCなどが過去に受賞している。6月3日に閉幕した東南アジア最大規模のICT見本市「Computex Taipei 2017」の会場でも数多くこのシンボル目にした。では、このシンボルは何を意味するのであろうか。

経済部が優れた台湾ブランド製品に贈る賞

 開催初日に行われた記者会見で、台湾駐日経済文化代表処 副代表 郭仲熙氏に続いて挨拶したTAITRA本部 戦略マーケティング処 処長 陳 英顯氏は「台湾エクセレンス」について「台湾エクセレンスは中華民国経済部(日本の経済産業省に相当)が優れた台湾ブランド製品に贈る賞です。1992年からスタートし今年で26年目に入ります。この賞をとるためには、(1)品質(2)研究開発(3)マーケティング(4)デザインの全てにおいて、判断基準を満足させ、革新的価値のあるものでなければいけません」と述べている。

研究開発や商品開発で高いソリューションを提供

 ではこの賞の背景にはどのような考えがあるのだろうか。その点に関して、陳処長は台湾経済の目指す今後の方向性について次のように言及した。

 「今後台湾経済が目指している方向性は2つあります。1つはOEM(委託者のブランドで製品を生産すること)に加えて、自国・自社ブランドの構築です。台湾の製造業は約30数年、主にOEMを中心に発展してきました。しかし、台湾企業は現在、自前で研究開発、商品開発をし、付加価値の高いソリューションを提供できるようになっています。これからは台湾エクセレンスなどをベースに、ますますそのような方向に進んでいきたいと考えています。

ビジネスで日本との協業が進んでいくことを期待

 2つ目は日本との協業です。日本と台湾は2016年実績で、台湾から日本に約420万人、日本から台湾に約190万人と、人的交流(観光などが中心)が盛んになってきています。

 これは双方の文化、ものの考え方が似通っている点も大きいと思います。今後は、観光やグルメなどの文化だけでなく、ビジネスにおいても日本との協業がさらに進んでいくことを期待しています。実際に、今回の展示製品の多くが、品質、研究開発、マーケティング、デザインなどそれぞれの段階で、日本企業との協業が実現しています。

古き良きものを残し、新しいものを加える「文創」

 同じく開幕記者会見で挨拶をした、台湾で活躍する女優の田中千絵さんは「台湾には美しい景色があり、気候も、人も大変に暖かく、とても癒されます。台湾は外食文化なので、3食とも外で食べることが多いのですが、とにかくご飯が安くて美味しいです。私は「魯肉飯」(台湾の煮込み豚肉かけ飯)が大好きで、海外に行った時などは、日本食よりも魯肉飯が恋しくなることがあります」と文化面に触れた後に、

 「ここ数年台湾では『文創』という言葉が流行っています。これは、古き良きものを残し、そこに新しいものを加え、台湾独自のブランドを積極的に作って行こうとする考え方のことを言います。台湾エクセレンスにはそのような製品も多いと思います」と「文創」という概念を披露した。

 最後に、今回参加できなかった読者に朗報がある。訪台の際には、時間を作ってぜひ台北市立美術館(最寄り駅は圓山駅)に寄って欲しい。市の中心台北駅からタクシーで10分程度である。同美術館南入口に「台灣精品館」がある。台湾エクセレンスの展示があり、テクノロジーと美感あふれるデザインを組み合わせた数々の製品を目と手で触れて楽しめる。そこで、何か新しいビジネスのヒントが生まれてくるかも知れない。

陳 英顯 TAITRA本部 戦略マーケティング処 処長

田中 千絵 さん

【金木 亮憲】

中華民国経済部国際貿易局(BOFT):外国貿易と経済協力に関連する政策と規定の実施を担う。BOFTは国内外における数々の貿易関連プロモーションプロジェクト・イベントにおいて、TAITRAを指導、協力、台湾の海外プロモーションを総合的に統括する。

田中千絵:1996年日本でデビュー。本格的に中国語を学ぶために2006年単身台湾へ留学。台湾映画史上の興行記録を達成し大ヒットとなった『海角七號』で、日本語と中国が話せる“友子”役を演じ、台湾のアカデミー賞と言われる「金馬奬」最優秀新人賞にノミネートされる。現在は台湾を拠点に、主にアジア・中華圏で活動。父親はメイクアップアーティストのトニー・タナカ。

 

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