空気清浄機への出資トラブルで問われる福岡中央銀行のモラル(前)
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年収299万円(嘘)に200万円を融資(金利14.4%)
支払い遅延のトラブルが発生している空気清浄機の販売・レンタル業者(株)Soft-EX(本社:東京都中央区、高井理道代表)。その九州支社では、学生やフリーターなどの若者に対し、レンタル用空気清浄機の購入代金を借金で工面するように勧め、ローンのネット申請を社員が代行するという異常とも思える営業が行われていた。さらに、複数の購入者に取材を進めていくと、ある“共通項”が見つかった。100万円以上も購入代金に充てた購入者の数人が、一様に福岡中央銀行のフリーローンで借り入れを行っていたのである。
おさらいすると、Soft-EXが営業提案していた、『空気清浄機のレンタルビジネス』の仕組みとは、購入者が、購入した空気清浄機のレンタル事業を同社に委託し、毎月交換する詰め替え用の次亜塩素酸水ボトルの料金3,800円の一部980円を「協力金」として受け取るというもの。関係者によると、「利回り4.9%」「2年で購入代金分になる」「借金の毎月の返済分以上に収入を得られる」などといったセールストークが同社社員からなされていたという。
福岡中央銀行のフリーローンで購入代金を工面したのは、100万円以上をSoft-EXに投じた数名の大学生。話を聞くと、昨年秋から年末にかけて、同社社員に紹介された自称「メガバンクOBの財務コンサルタント」(以下、X)から、同行のフリーローンを勧められたという。Xは、申請書類の書き方について、使用目的や年収などを融資金額に応じた内容で書き込むように助言。たとえば、融資枠200万円で申し込んだ大学生のAさんは、Soft-EXの正社員と偽り、使用目的を「車購入」、税込年収を299万円で申請。Aさんに対して、福岡中央銀行は金利14.4%で200万円の融資枠を設けた。
申告した年収の3分の2以上の融資となる。今のところ、銀行は、2010年6月に施行された改正貸金業法における年収の3分の1以上の融資を禁じた総量規制の適用外であり、違法ではない。しかしながら、総量規制で勢いを失った消費者金融に成り代わり、銀行系ローンが台頭している現状について、多重債務による自己破産を抑制するという総量規制の目的から、疑問視する声も強まっている。そもそも、「違法でなければ何をやってもいい」では、企業モラルが疑われても仕方がない。
Xは取材のなかで、「60人ぐらいの若者が、福岡中央銀行のフリーローンで借り入れを行った」と答えている。1人平均100万円と仮定すれば総額6,000万円の融資だ。なぜ、Soft-EXの購入者が、同行のフリーローンに殺到したのか。実態を確かめるため、記者は、同行本店営業部を取材した。
(つづく)
【山下 康太】▼(株)Soft-EX空気清浄機出資トラブル関連記事
・多額の借金で購入した学生たち
・九州支社の無節操な営業実態(支社長インタビュー)
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