空気清浄機への出資トラブルで問われる福岡中央銀行のモラル(後)
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(株)Soft-EXへの出資トラブルに遭った福岡市内の複数の大学生が、身分と収入を偽り、福岡中央銀行のフリーローン(金利14.4%)で100万円以上を借り入れ、空気清浄機を購入していた事実が判明した。その背景には、自称「財務コンサル」(以下、X)の存在も浮上した。
若者を食い物にする企業や金融機関
取材に対応した本店営業部の担当者は、Soft-EXの出資トラブルに関する道義的責任について、「(融資は)所定の審査ルールに従って行っている」と回答。しかし、同行のフリーローンでは、学生の利用や投資目的の借り入れは禁止とする一方、申請内容の真偽は、自己申告(申請書類の内容や本人来店による窓口審査)以外に事実確認を行っていないという。また、申告年収の3分の1を超えた、過剰とも思える融資枠については、「返済期間を長くするようアドバイスする」ことで、債務者の負担を軽減しているという。
ちなみに、福岡中央銀行では、「車購入」が目的であれば、金利3.3%のマイカーローンも利用できる。「車購入目的の申請者に対し、金利の安いローンを勧めないのか?」という記者の問いに、同行は、「(申請者は、マイカーローンの存在を)知っているという認識でやっている」と回答。貸す側からすれば、金利が高いほうが儲かるのは間違いないが、年収確認や資金使途の確認資料が必要となる目的別ローンで対応すれば、Aさんの虚偽申請は簡単に見抜けていたはずだ。
自称「財務コンサル」のXは取材に対し、学生に対するフリーローンの紹介が福岡中央銀行に集中した理由について偶然であることを強調しつつ、「(行員の)営業を受けており、審査の内容についても聞いている」と説明。Xは、相談料として5,000円、借り入れの成功報酬として3万円を学生に請求。Soft-EX社員から紹介案件で少なくとも200万円は得ている。なお、福岡中央銀行は、Xのような融資に関するコンサルタントとの関係性を完全否定した。
Soft-EXの購入者のなかには、銀行系カードローンなど金融機関を10社以上回って、100万円弱をかき集めたというケースもあった。“福岡中央ルート”とは対照的だ。学生からは、「簡単に100万円以上の融資を受けられたことが、被害の拡大につながっている」という声もあがっている。
同行からの借り入れで、レンタル用空気清浄機88台(190万円)を購入したAさんだが、「協力金」の支払いは、今年1月に振り込まれた12月分(8万8,000円)の1回のみ。借金の残り約188万円に対し、毎月3万2,000円を返済し、学生生活は困窮しているという。借りた側の責任もあるが、結果だけを見れば、世間知らずの若者を、企業や金融機関、自称コンサルが食い物にしている構図だ。「地域密着」を掲げる地銀としては、かなりイメージが悪い。
(了)
【山下 康太】▼(株)Soft-EX空気清浄機出資トラブル関連記事
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