福岡の健康食品販社の謝罪広告, 「景表法逃れ」の声
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健康食品販売の日本第一製薬(株)(本社:福岡市博多区、兼原保行社長)は8月1日付で自社のホームページ上や全国紙に掲載した社告で、同社がWeb上で販売していた機能性表示食品『葛の花プレミアム青汁』、『葛の花ウエストケアタブレット』、『葛の花ウエストケアスムージー』の広告表現が、過度の期待を抱かせる表示を行っていたとして謝罪した。
広告の対象となった各商品は「肥満気味な方の、体重やお腹の脂肪(内臓脂肪と皮下脂肪)やウエスト周囲径を減らすのを助ける」という表示が認められているが、「あたかも本商品を摂取するだけで、どんな条件下でも誰もが容易に痩身効果を得られると、過度に思わせる表示を行っていた」とし、今後の対応については「全ての広告を見直し、逸脱した表現を速やかに削除、変更する対応を進めている」としている。
葛の花由来イソフラボンを用いた機能性表示食品の広告表示による謝罪は今年5月に(株)スギ薬局が販売していた機能性表示食品『お腹の脂肪に 葛の花イソフラボンスリム』について、全国紙に社告と自社ホームページ上で謝罪したことに続き2例目。同素材を用いた機能性表示食品は25品目以上にのぼり、業界関係者筋からは「取り扱い企業は6月から消費者庁より事情聴取されている企業もある」といい、今回の謝罪広告については「景品表示法違反で課せられる課徴金対策では」との声がある。
課徴金制度は今年4月から施行された改正景品表示法に盛り込まれた罰則制度。不当表示や優良誤認表示を行った対象商品の販売期間が3年間を上限に売上高が150万円以上に達していた場合、売上額の3%を賦課するというもの。今年1月に、三菱自動車工業(株)が水増しした燃費データをカタログに掲載したことが、景表法違反に当たるとして約4億8,000万円の課徴金納付命令が出された(その後購入者に一定額の返金が行われたことで368万円に減額)。同6月には青汁などの健康食品販売のキューサイ(株)の子会社である日本サプリメント(株)が、表示違反で総額5,471万円の課徴金納付命令が下されている。
業界関係者内では「消費者庁からの調査や指導を受けたからかはわからないが、常識的に考えてみれば、何もなく自社で不当表示であったことを社告で出すというのは不自然」、「景表法違反からの回避ではないか。もし違反しても、課徴金の対象期間の短縮などを含めた負担軽減が狙いでは」との声が多い。今年は不当表示による景表法違反を受ける健康食品販売企業は例年より増えている。行政処分に加えて罰金制度まであれば、企業にとって、社会的にも財務的にも大きな打撃を受けるのは必至。そのリスク回避のための「不当表示の謝罪広告」は、これから増えるのではないか。
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