中国経済新聞に学ぶ~「中国トップ富豪」王健林氏の墜落(後)
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「トップ富豪」から「トップ負け組」に
王健林は中国生協委員(参議院議員に相当)であり、彼は中国政府から仕置きの息遣いを感じ取ったようだ。
7月下旬、イギリス・フィナンシャルタイムズのインタビューを受けた際、改めて中国国内市場に重点を置くと語った。「もちろん中国の発展は重要な仕事だ。なぜならエンターテインメント、旅行、スポーツ市場は始まったばかりで、この面は重点的に発展させる必要があるからだ」。
「自分が苦労して稼いだ金だから、投資したいところに投資する」と語った王健林は、その舌の根も乾かぬうちに態度を変え、「国家の呼びかけに積極的に答え、国内で主要な投資を行っていく」と表明した。これは王健林が金融面の打撃を受けたというだけでなく、むしろ政治による仕置きに直面しているということだろう。
国家が行政の力を使って金融システムのリスク整理を開始すると、王健林はすぐに機先を逃し、さらにその指標的意義から仕置きを受けた典型例となってしまった。中央銀行金融安定局局長・陸磊の分析によれば、現在、中国の体系的な金融リスクは全体として制御できているが、不良資産のリスク、流動性のリスク、シャドーバンキングのリスク、外部からの打撃リスク、不動産バブルのリスク、政府政務のリスク、インターネット金融のリスクなどが積み重なっており、金融市場に混乱が発生している。利食いが横行し、深刻なファイナンシャル・トンネリングが発生し、重要案件が絶えず発生している。
このような背景のもとで、世界の資産買収の急先鋒である万達グループが標的になることは疑いようもなく、かつて通用していた政商による庇護も突然焼失し、それどころか反対の作用を持つようになってしまった。
この悪夢から抜け出すために、王健林は資産売却によって生存を図り、目前に迫った債務のストレスを和らげようとしており、また同時に態度表明を強化し、主に国内で投資を行っていくことを決定することで、損失を最低限にとどめ、許しを得ようとしている。
富豪たちがある表明によって何らかのサインを送ることは、意外ではない。山一重工グループ総裁・梁隠根やアリババ総裁・馬雲も、かつてすべての資産を国へ献じてもよいと合法に表明している。今後、王健林もさらに豪放な表明を行っていく可能性がある――彼は「中国トップ富豪」から「中国トップ負け組」になるという悲劇を回避しなければならないのだ。ただし、戦いが始まってしまっている以上、リスクは態度表明によって回避されないことがしばしばある。
もしかしたら、王健林の行動は、現在の市場情勢に基づく理性的な行動であるのかもしれない。20年近い繁栄を経て、中国の不動産市場は確実に重要な局面を迎えている――部屋のために悩み苦しんでいる新都市人は、不動産の長期的なメカニズムが徐々に実行されているのを見ている。中国の不動産産業は、徹底的な整理を必要とする時期に来ているのだ。
(了)
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