2024年12月23日( 月 )

下関ゴルフ倶楽部~消えた山口銀行の翳(前)

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 下関ゴルフ倶楽部(一般社団法人)は、会員に年二回機関誌「八ヶ浜」を送付している。例年夏季号は7月中旬、新春号は12月末に配布されてきた。しかし今年の夏季号(Vol.214)は9月1日に送付されてきたという。この一月半の遅れは、「下関ゴルフ倶楽部から山口銀行が手を引いたからだ」との声が伝わってくる。
 初めての方もおられるので、その要因となった経緯についてかいつまんで説明していくことにしたい。

◆まず発端となったのは、2013年1月に開催された臨時総会で、福田理事長が下関ゴルフ倶楽部は3,000万円の赤字と発言したことだった。それを聞いた会員の有志が調査していくと、福田理事長(山口FG社長兼山口銀行頭取)、梅﨑弘毅キャプテン、田中耕三前理事長(元山口銀行頭取・現相談役)、田口三郎前キャプテンの四人(いずれも肩書は当時)が「ゴルフ半額プレー」をしていたことが判明。

◆さらに追い打ちをかけたのは、2013年11月26日に開催された臨時総会の決議だった。
(1)山口銀行と親しい清水建設に総額11億円(坪あたり180万円)でクラブハウス建替えを発注する。
(2)クラブハウスを建て替えるために費用が必要なので年会費を4万円上げて年12万円とする。を提案。周辺のゴルフ場と比較してあまりにも高い年会費が、賛成多数で可決承認されたことから、両者の対立が激化することになった。【別表1】山口・近隣ゴルフ場の年会費比較表参照

◆そのため会員有志は「下関ゴルフ倶楽部を愛する会」(住興信世話人)を立ち上げ、2014年10月15日、四人に対し約300万円の返還求める社員代表訴訟を山口地裁下関支部に提訴。
 二年に及ぶ審尋を経て2016年11月30日に結審した。


<福田理事長>
差額プレー代金28万1,600円(3,200×88回=281,600円)及びこれに対する平成26年8月1日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。  ※以下年5分の金員の支払いは省略。

<田中耕三前理事長>
原告の請求43万5,200円(3,200×136回=435,200)に対し、満額の支払い命令。

<梅崎弘毅キャプテン>
原告の請求20万1,600円 (3,200×63回=201,600)に対し、クラブ主催の行事に参加した1回分を差し引いた19万8,400円(3,200×62回=198,400)の支払い命令。

<田口三郎前キャプテン>
原告の請求199万400円 (3,200×622回=1.990,0400)に対し、満額の支払い命令。


 上記の通り、原告の主張が全面的に認められ、被告4人にとってはほぼ全面敗訴の厳しい判決が下されたのだ。

(つづく)
【(株)データ・マックス顧問 浜崎裕治】

 
(中)

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