2024年12月05日( 木 )

ド派手なセレブ生活も終焉か(3)~(株)ストーンマーケット

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 天然石アクセサリー販売で急成長した(株)ストーンマーケット(本社:福岡市中央区、中村泰二郎社長)だが、業績の悪化から事業の縮小を余儀なくされている。2年半ほど前に「ド派手なセレブ生活は続くのか」と題して同社の凋落を報じたが、いよいよド派手なセレブ生活も終焉が近づいているようだ。

本業の不振も顕著に

 天然石アクセサリー販売から飲食事業に進出したものの、採算ベースに乗せることができず飲食事業から撤退。いわば多角化の失敗から本業回帰を目指している同社だが、本業を取り巻く環境も厳しさを増している。不採算の飲食事業を整理しても、かつてのような高収益を望むことは難しそうだ。同社の売上高のほとんどは本業であるアクセサリー販売が占めているため、同社の業績イコール本業のアクセサリー事業として推移を見てみよう。

 ストーンマーケットの単独の売上高のピークは2012年3月期の約80億円である。この期を境に売上高はジリジリと減少し、15年3月期には約70億円にまで下落した。利益は14年3月期から大幅に減少しているが、これはコスト高から利幅が薄くなったためだ。アベノミクスの影響も多少はあるだろう。為替レートが円安に振れれば、海外から仕入れをする企業の利益は圧迫される。コスト高になった詳しい要因は後述するが、環境変化により、利益が出にくい体質になっていったのは明らかだ。15年3月期の約70億円の売上高は、10年3月期の約69億円と同水準だが、10年の経常利益が3億4,000万円以上あるのに対して、15年では約1億3,000万円と半分にも満たない。利益率が大幅に低下していることがわかる。

 16年3月期以降の業績だが、同社は16年期から決算内容を非公表とした。このため16年期以降の業績は、取材を通じての推定値である。売上高は16年3月期が63億円程度、17年3月期で60億円程度まで下落していると推測する。また16年期までは黒字を確保したものの、17年期では不良資産や店舗の整理損などもあり、大幅な赤字を計上した可能性が高いようだ。業績について同社側にコメントを求めたが「答えたくない」との回答だった。

 業績推移を見る限り、本業もリストラに踏み切らざるを得なくなったようだ。南青山のショールームを併設した東京オフィスも、いつの間にか新宿の雑居ビルに移転していた。15年2月に南青山に東京オフィスを移転した際は、華々しく告知していたが、わずか2年余りでの今回の東京オフィス移転は、ひっそりと行われたようだ。店舗に関しても同様で、オープンするときは大々的に告知した店舗も、いつの間にか閉店しているケースも多い。中村社長のド派手なセレブ生活を支えた高収益ビジネスモデルは、すでに崩壊の危機を迎えている。

(つづく)
【特別取材班】

▼関連リンク
・ド派手なセレブ生活は続くのか(1)~ストーンマーケット
・続・ド派手なセレブ生活は続くのか~ストーンマーケット

 
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