2024年12月05日( 木 )

ド派手なセレブ生活も終焉か(7)~(株)ストーンマーケット

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 天然石アクセサリー販売で急成長した(株)ストーンマーケット(本社:福岡市中央区、中村泰二郎社長)だが、業績の悪化から事業の縮小を余儀なくされている。2年半ほど前に「ド派手なセレブ生活は続くのか」と題して同社の凋落を報じたが、いよいよド派手なセレブ生活も終焉が近づいているようだ。

同社に残された選択肢

 前回まで6回にわたって同社の現状を見てきた。2年半前の前シリーズ連載のときは、業績が凋落傾向にあるものの、まだ余力を残している印象だった。だが今シリーズの取材では、凋落傾向に歯止めを掛かることができず、窮地に追い込まれている同社の現状が浮かび上がってきた。そのなかでも飲食事業からの撤退は、同社の衰退を象徴する出来事だ。

 同社については、取材に入る前から散発的に情報が寄せられていた。とくに資金繰りに関する情報が多く、金融機関主導の経営を強いられている印象だった。こうなればド派手なセレブ生活を売りにした宣伝戦略も続けることはできない。

 同社に残された今後の選択肢を推測してみよう。

 もっとも現実的なのは、銀行主導で採算ベースに乗るまでリストラを進めることだ。銀行は借入金返済のリスケジュールとともに、とりあえず採算ベースを確保して少しでも多くの回収を図ることが合理的な選択だ。縮小均衡で生き残りを図る、いわばソフトランディング路線である。一方で、業績の悪化が加速し、負のスパイラルから抜け出せないようであれば、法的整理の可能性も選択肢として浮上するだろう。この場合、経営陣が自主的に行う場合と、金融機関を含む債権者に求められる場合とで意味合いが異なるが、いずれにしろハードランディング路線となる。また取材過程で「身売り」の可能性も話題に上ったが、現時点では現実的なものではないだろう。少なくとも事業リストラが進み採算ベースが確保できなければ、買い手が現れるとは考えにくい。

 どの選択肢の可能性が高いかは、同社の事業の将来性をどう見るかによって変わってくる。アクセサリー市場で活路を見出す可能性があるのか、新商品で巻き返す可能性があるのか、など。こうした要素を総合的に判断すると、同社の先行きに明るい展望を描くことは難しい。業界環境が好転する要素は乏しく、急成長する商品や事業が生み出される可能性も高くない。同社からの人材の流出は、そうした厳しい現状を表しているとも言えるだろう。中村社長のド派手なセレブ生活で話題を集めてきた同社だが、その姿もすでに過去のものになりつつあるようだ。

(了)
【特別取材班】

▼関連リンク
・ド派手なセレブ生活は続くのか(1)~ストーンマーケット
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