2024年12月21日( 土 )

クラフトビールを知ろう!瑠璃色の伝説 田沢湖ビール(2)

記事を保存する

保存した記事はマイページからいつでも閲覧いただけます。

印刷
お問い合わせ

 「素材や製法にこだわり抜く」というビジネスモデルで根強い人気を誇る田沢湖ビールは、2017年に20周年を迎える。同社のクラフトビールは現在までに「ジャパン・アジア・ビアカップ」や「インターナショナル・ビア・コンペティション」「ワールド・ビア・アワード」「ヨーロピアン・ビア・スター」といったビール審査会に出品し、数々の賞を受賞してきた。

 17年9月にドイツで開催された「ヨーロピアン・ビア・スター2017」では、創業当初から一番人気の『アルト』がゴールドアワード(金賞)を受賞。さらに、同時期にイギリスで開催された「ワールド・ビア・アワード2017」には『ピルスナー』がワールドベストドルトムンダー(世界最高賞)を獲得した。「ワールド・ビア・アワード2017」では36カ国から開催史上最多の1,900以上もの銘柄が寄せられたなかでの受賞ということからわかるように、もはや世界が認める味として広く知られている。

 クラフトビールメーカーには主業メーカーと副業メーカーの2つがあるが、同社は後者といえる。副業メーカーは、マイクロブルワリーやブルーパブの普及を背景にレストランやビヤホール、ビヤパブ併設型が多い業態だ。現在もその数は増え続けており、なかには業界のイメージを悪化させる粗製乱造による品質低下を招くメーカーも存在する。500万円程度の初期投資額ですむ簡易醸造装置の普及も進んでいるが、ある程度の品質をともなって製造をするなら総投資額は1,000~2,000万円はかかるだろう。また、ビール製造は非常に味にバラつきが出やすいため、品質を向上させ、なおかつ安定させるには10年単位でのノウハウの蓄積が必要といわれるようにその技術は一朝一夕とはいかない。

 同社だけではなく、国際的な賞を受賞したクラフトビールメーカーには、それぞれの弛まぬ努力とこだわりが見受けられる。田沢湖ビールも作り始めて10年程度経ったところで、さまざまな賞を受賞し始めた。日々の研究が身を結んだといえる。次回は田沢湖ビールの味に迫る。

(つづく)
【藤谷 慎吾】

 
(1)
(3)

関連キーワード

関連記事