2024年12月23日( 月 )

東福岡高校に学ぶマネジメント力~(株)冨士機・藤田以和彦氏(前)

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 福岡・九州の企業および政治・経済の取材・情報発信を行うなかで、東福岡高校のOBの方々が九州のみならず、全国、世界を舞台に活躍・貢献していることを改めてうかがい知りました。そこで弊社では、多方面で活躍されている東福岡高校のOBを集めた書籍『東福岡高校OB100人(仮題)』(2017年12月下旬発刊予定)を制作することを決意しました。本書籍はOBの方々が高校生活で経験し、今なお自身に根付いている学びの精神などを語っていただき、「なぜ東福岡高校の生徒は伸びるのか」という疑問を紐解いていきます。同時に「我こそは!」という現役で活躍されている東福岡高校のOBを募集しています。

 今回は発刊に先駆け、(株)冨士機の代表取締役を務める藤田以和彦氏(東福岡高校5期生)をご紹介します。

高性能・高品質な製造マネジメントで大都市インフラ整備に貢献する

環境ソリューションの第一人者

(株)冨士機 藤田 以和彦 代表取締役

 国内における『汚泥処理プラントと中性化固化材』の第一人者として環境ソリューション関連の業界から認知されている(株)冨士機。その高い技術力によって、福岡県および九州一円にとどまらず、東京・大阪・名古屋をはじめとした全国各地の建設現場で大車輪の活躍がなされている。とくに東京都でのインフラ整備における建設汚泥処理の技術力はどこよりも優れ、その卓越した技術力はスーパーゼネコンを筆頭に建設業各社が認知し採用している。

 2005年に東京へ進出し、同年に地下鉄13号線(副都心線)の建設工事における後方支援基地を開設し、中性化固化改良工法を採用した。その結果、同工法をはじめとしたソリューションの総合力が認められ、東京メトロのリサイクル工場内に礫泥水リサイクルプラントおよび泥分級破砕プラントを納入。11年には流動化処理土製造の委託業務を受注し、業務を開始した。東京メトロは同社の技術力を全面的に信頼。2020年の東京五輪の開催に向けたインフラ整備の一環として拡大する路線など、今後も同社の活躍の場は多数だ。

 同社は、東京都大田区京浜島へ14年2月に移転。約1,500坪の敷地に流動化処理土プラントを設け、24時間稼働している。さらに、「流動化処理土とともに今後は、中性化固化改良工法に使用する中性固化材の製造オーダー増加への対応が急務」(藤田代表)とし、京浜島とは別に、工場の新設が必要であると判断。都内で物流と製造の両側面から最良な立地条件の工場新設地として17年5月、江東区青海4丁目に東京第二工場を竣工し、製造を開始させた。

 同社のブランドである中性固化材エフシリーズは、どのような建設汚泥・泥土にも対応できる中性固化材で、それらを瞬時に固化できる。そしてエフシリーズでの改質土は中性のため、あらゆるシーンで安心・安全な再資源として活用が可能だ。何よりも粒状固化した後は湿潤しても濁りを発生せず、再泥化しない。主成分である石膏に廃ボード石膏などのリサイクル石膏は使用しておらず、有害物質や六価クロムなどを含まない環境に優しい固化材である。

 独自性の高い技術によるソリューション能力により福岡の地場企業である同社が、業界最大手と同等の活躍をしている。

(つづく)
【河原 清明】

<プロフィール>
藤田 以和彦(ふじた・いわひこ)
1943年、福岡県生まれ。東福岡高校5期生。福岡大学卒業後、実父経営の鉄工所に入社。69年9月に事業を継承。72年9月に(株)冨士機鉄工(現・(株)冨士機)を設立し、代表取締役に就任。グループ会社の㈱セントラル商工の代表を兼務。趣味は登山。

 
(後)

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