2024年12月23日( 月 )

東福岡高校に学ぶマネジメント力~(株)冨士機・藤田以和彦氏(後)

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 福岡・九州の企業および政治・経済の取材・情報発信を行うなかで、東福岡高校のOBの方々が九州のみならず、全国、世界を舞台に活躍・貢献していることを改めてうかがい知りました。そこで弊社では、多方面で活躍されている東福岡高校のOBを集めた書籍『東福岡高校OB100人(仮題)』(2017年12月下旬発刊予定)を制作することを決意しました。本書籍はOBの方々が高校生活で経験し、今なお自身に根付いている学びの精神などを語っていただき、「なぜ東福岡高校の生徒は伸びるのか」という疑問を紐解いていきます。同時に「我こそは!」という現役で活躍されている東福岡高校のOBを募集しています。

 今回は発刊に先駆け、(株)冨士機の代表取締役を務める藤田以和彦氏(東福岡高校5期生)をご紹介します。

高性能・高品質な製造マネジメントで大都市インフラ整備に貢献する

地元愛が原点

 藤田代表は、1943年福岡県生まれ育った。そして、東福岡高校の5期生である。当時について藤田代表は、「私は若いころからワンダーフォーゲルを行っております。そのきっかけを作っていただいたのが、中学生時代に山登りの魅力を教えてくださった恩師です。その恩師が、『高校進学は今後飛躍することが間違いない東福岡へ進んでみては』と推薦され、入学を決意しました。当時、東福岡はまだ黎明期で、校舎は東区箱崎にありました。全校生徒は、1,000人前後であったと記憶しております。私立の男子校は、福岡市内では大濠高校が総合的に抜きん出ておりました。母校は歴史が浅く文武両道などには程遠いものでした。それでも、いろいろなキャラクターの人間が集結し、恩師が述べた通りこれから飛躍していくのであろうという機運はありました」と回想する。

(株)冨士機 藤田 以和彦 代表取締役

 藤田代表は今も同校・OB会の世話役を引き受けるなど、母校の躍進の一助となる活動を行っている。藤田代表は「母校の創立者・德野常道先生は、『日本の再建は教育の振興によるべき』との信念を礎に、文武両道において『私学の秀峰』を掲げ、教育活動にご尽力されました。その信念が、実り出したのは15〜20期生あたりからです。その後は、年々勉学とともにスポーツ・文化とも躍進し続け、今日に至って『私学の秀峰』として文武両道を確固とし、進化が続いております」と目を細める。

 他方、「OB会においては、まだ古参のメンバーが多数です。今後さらなる飛躍を遂げるには、30~40歳代のOBがもっと出てきてほしいです。われわれ世代のメンバーは、若いOBを支えて次の世代に引き継ぎ、これからの母校の飛躍のサポートに徹するべきです」と今後について語る。現在の母校の躍進は、若い世代のOBがたゆまなく努力と精進を続けたおかげであり、それらに敬意を表して、次世代のOBが母校発展のために活動しやすい風土を作り上げることを提言している。

 藤田代表の近い年代の同校OBで、第一線で活躍し続けているのは藤田代表のみである。今も、そしてこれからも経営の最前線で進化を続ける藤田代表の言葉は、誰よりも重みがある。その思いの根底に流れるのは地元への深い愛情であり、それが母校と事業における地元発展に貢献せんとする不動の心が明確である。

 同社は、環境ソリューションを通じて福岡・九州地区、そして東京・大阪・名古屋など大都市をはじめ、全国各地の発展に貢献する。その経営の原点は、より一層の地域活性化に寄与したいという一心である。自社の事業に一点集中し、日々研究開発を重ね、現状に甘んじることなく進化を続ける姿勢は、藤田代表の人生そのものといえるだろう。

(了)
【河原 清明】

<プロフィール>
藤田 以和彦(ふじた・いわひこ)
1943年、福岡県生まれ。東福岡高校5期生。福岡大学卒業後、実父経営の鉄工所に入社。69年9月に事業を継承。72年9月に(株)冨士機鉄工(現・(株)冨士機)を設立し、代表取締役に就任。グループ会社の㈱セントラル商工の代表を兼務。趣味は登山。

 
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