2024年12月22日( 日 )

「葛の花」機能性表示食品で16社に措置命令(後)

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消費者を欺く表示のオンパレード

広告の事例

 16社に対する景品表示法に基づく措置命令は、葛の花由来イソフラボンを配合した機能性表示食品を摂取するだけで、容易に痩身効果を得られるという表示が、優良誤認表示に当たると判断されたためだ。事例を見ると、「きつい運動や食事制限…そんな我慢はもういらない!」「こんな体型なんとかしたい…方へ!」(太田胃散)、「定期的に運動する時間がない」「効果的なダイエットをしたい」(CDグローバル)などがある。

 これらの機能性表示食品の届出表示は、内臓脂肪や皮下脂肪の減少などに着目した内容。一方、各社は広告で、見た目でわかるほどの痩身効果を標榜していた。このため、届出表示を超えた表示と判断された。

 また、各社の商品はBMI25~30の人を対象とし、運動と食事制限によって、消費エネルギーが摂取エネルギーを上回る状態の維持を前提としている。運動については、1日当たり8,000~9,000歩を歩くことが前提となるが、これは通常よりも約2,000歩も多い。「運動や食事制限を行わなくてもよい商品ではない」(表示対策課)にもかかわらず、商品を摂取するだけで痩せることができると誤認させる広告を展開していたことになる。

 消費者庁では「届出資料のデータをしっかりと確認すれば、このような表示はできないはず」(同)と指摘。届出表示の範囲を超えた痩身効果については、根拠が認められないと説明する。

 各社では、細身の女性のウエストにメジャーを巻き付けた写真を使用したり、脂肪が付いた腹部を両手でつまんでいる写真とくびれたウエストの写真を並べたりしていた。外見で体型の変化がわかるほどの痩身効果をうたっていたと言える。しかし、消費者庁が届出資料を調べたところ、実験の結果からは、ウエストが約1cm減少する程度の効果に過ぎないことがわかった。これは、日常生活で見られる1日の変動範囲という。

 葛の花由来イソフラボンを機能性関与成分とする機能性表示食品は、45件の届出が公表済み。消費者庁では「45商品のうち、違反していたのは今回の16社(19商品)のみ」(同)と話している。

(了)
【木村 祐作】

 
(前)

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