「きららの湯」を巡り揺れる糸島(1)
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SNSやテレビ番組を通じて、観光地として知名度が高まり続ける糸島市――。そんな糸島市で住民から愛され続けている温浴施設「二丈温泉 きららの湯」を巡り、現在糸島市住民からなる原告団と糸島市の間で裁判が続いている。
きららの湯とは
きららの湯は、2003年に当時の糸島郡二丈町が約8億3,000万円の公費を投じて新設した温浴施設。莫大な資金を費やしてまできららの湯を新設した目的は、町民の健康増進にあった。きららの湯の源泉は、国内有数の天然ラドン含有量を誇り、痛風・高血圧症・動脈硬化症・慢性皮膚病・神経痛などに効能があるとされている。
町民はもちろん、JR筑肥線「筑前深江駅」から徒歩5分程度という好アクセスも手伝い、地元民以外の利用者も少なくない。利用者の中には、きららの湯に惚れ込み、近所に別荘地を購入したという者もいるほどだ。
原告団は無償譲渡に異議あり
2003年のオープン以降、きららの湯の運営を手がけていたのは第三セクターの(株)リフレッシュ二丈だが、同社は17年4月1日のきららの湯の民間企業への無償譲渡を受け、同年3月末で解散している。直近3年間のきららの湯利用者数は、14年約15万5,000人、15年約16万6,000人、16年約16万3,000人と増加基調で推移しており、利益も出していた。
原告団はこうした同社の経営状況やきららの湯の資産価値(原告団は5億円の価値があると主張している)を踏まえ、なぜ無償譲渡なのかと糸島市の決定に反発。対する糸島市は『リフレッシュ二丈は黒字経営だが、建物の修繕費・借地料など合計2,000万円超を市が負担しており、実質赤字経営である』、『譲渡先となった企業は施設の大規模改修などで相当額の支出が求められる』などの理由から、無償譲渡を決定したと説明。きららの湯の無償譲渡を巡り両者の意見は対立、現在係争中である。
きららの湯を巡り揺れる糸島――。さらに、民間企業への無償譲渡後の市の対応を巡っても、声が上がってきている。
(つづく)
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