「きららの湯」を巡り揺れる糸島(3)~決着は市長選後
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糸島市の「二丈温泉 きららの湯」の民間企業への無償譲渡を巡り、糸島市住民からなる原告団と糸島市の間で続く裁判。決着は糸島市長選後となっている。
無償譲渡の背景
きららの湯の運営を第三セクターのリフレッシュ二丈が手がけていた際に、市が負担していた費用は施設の修繕費700万円超、地代500万円超など、年間合計約2,200万円。きららの湯の運営を継承した企業には同等額の費用負担が求められるほか、従業員も引き続き雇用することが求められるため、相応の人件費も覚悟しなければならない(2015年度のリフレッシュ二丈の人件費は3,609万円)。
また、引き継ぎに際しては、きららの湯建設の主目的である「健康増進」にのっとり、温泉以外に(※)「健康流水浴プール」や「健康づくりルーム」の維持・管理も継続せねばならない。きららの湯の施設老朽化にともなう改修工事費用の負担なども考えれば、容易に手を出せるものではないだろう。事実、きららの湯の民間移譲に応募したのは、現運営業者である日食システム(株)1社のみであった。
次回答弁は来年2月
市はきららの湯を民間移譲することで、不要となる施設管理運営費等と新たな収入となる固定資産税や入湯税などを合わせて、移譲後5カ年で合計約1億3,600万円の効果見込み額があると試算。対して、原告団は増加基調にあったきららの湯の利用者数(2016年度年間入場者数は約16万人)や独自試算したきららの湯の資産価値5億円を挙げ、無償譲渡の判断は誤りだとしている。
真っ向から対立する両者の意見。これまでの裁判手続では、両者の意見は平行線のまま。次回期日は来年2月7日が予定されている。当初は12月で調整されていたが、1月28日投開票となる糸島市長選・市議選のダブル選挙を鑑み、2月となった。
糸島市民に愛され、観光地としての「糸島」の知名度向上から、市外からの利用客も少なくないきららの湯。市の貴重な観光資源であることは間違いないため、どのような判決が下るのか、注目される。
(了)
【代 源太朗】※健康流水浴プールでは「水中運動講座」、健康づくりルームでは「一般介護予防講座」などを定期的に実施しなければならない。
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