第四銀行と北越銀行の経営統合延期を検証する(4)
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ふくおかFGと十八銀行のおよび第四銀行と北越銀行との計数を比較検証する前に、ふくおかFGと十八銀行の経営統合が無期延期(白紙)となった経緯を説明しておきたい。
1.ふくおかFGと十八銀行の経営統合が無期延期となった経緯について
2016年2月26日、ふくおかFGと十八銀行は、経営統合することで基本合意書を締結したと発表し、以下のスケジュールを示した。今までは、どちらかといえば救済支援型が多かったが、この経営統合は、将来の人口減少による地域経済の縮小を懸念する金融庁の後押しもあり、経営状態が正常な地銀同士の金融再編だったのだ。
しかし最終契約締結予定日1カ月前の7月8日、公取委が独禁法上の問題を提起したことから、赤信号が点滅することになった。
◆一回目の経営統合延期
そのためふくおかFGと十八銀行は今年1月20日、公取委の審査長期化にともない統合時期を10月1日まで半年延期すると発表。
4月17日、十八銀行の森拓二郎頭取は「構造的措置としてシェアを落とすことに踏み込まないといけない」と債権譲渡の可能性を示唆。それを受けて、ふくおかFGの柴戸社長も4月21日に記者会見し、半年延期した経営統合について、「現時点で、公正取引委員会の理解が得られていない。債権譲渡に踏み込まざるを得ない状況になってきた」と述べた。◆二回目の経営統合延期(無期延期)
・今年7月25日、ふくおかFGと十八銀行は共同して、「(株)ふくおかフィナンシャルグループと(株)十八銀行の経営統合のスケジュールに関するお知らせ」により、『公正取引委員会における企業結合審査が現在も継続中であるため、今後のスケジュールについて下記の通り再度延期いたします』と、統合をめざす方針については再延期するものの、撤回はしないと正式発表。
◆しかしそれから4カ月経った今も、ふくおかFGと十八銀行からは「経営統合についてのお知らせ」はない。成功すれば地銀のモデルケースとなると見られていたが、この経営統合は白紙に戻ることになったとみていいだろう。今後十八銀行は筑邦銀行・佐賀銀行とよりを戻し、ともに九州FGとの経営統合を目指すのではないだろうか。
2.第四銀行と北越銀行の経営統合について
今年4月5日、第四銀行と北越銀行は金融庁の強力な後押しを受けて経営統合を発表。ふくおかFGと十八銀行の経営統合が再延期の可能性も出てきた微妙な時期だったといえるのではないだろうか。金融庁とすれば、ふくおかFGと十八銀行の経営統合を早く進めるための第二弾だったようだが、公取委にとっては『火に油を注ぐ挑戦』と映ったようだ。
(つづく)
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