2024年12月05日( 木 )

九州では福岡・博多駅周辺と熊本・下通周辺で高い上昇~2017年第3四半期地価動向

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 国土交通省は24日、2017年第3四半期(17年7月1日~10月1日)の「地価LOOKレポート(主要都市の高度利用地地価動向報告)」の結果を発表した。全体として緩やかな上昇基調が継続しており、調査地点の約9割で上昇となった。なかでも、3~6%と比較的高い上昇を示している地区は10地区で、このうち九州では「福岡市博多区・博多駅周辺」と「熊本市中央区・下通周辺」の2地区が入った。

 同レポートは、国土交通省が主要都市の高度利用地などを対象に、四半期ごとの地価動向を調査し、先行的な地価動向を明らかにするもの。調査対象は全国100地区で、その内訳は東京圏・43地区、大阪圏・25地区、名古屋圏・9地区、地方圏・23地区。九州では、「福岡市中央区・大濠」「福岡市博多区・博多駅周辺」「熊本市中央区・下通周辺」「鹿児島市・鹿児島中央駅」の4地区の地価動向が調査されている。

 全体的な地価上昇の主な要因は、空き室率の低下などによりオフィス市況が好調なことに加え、大規模な再開発事業の進捗や訪日観光客による消費・宿泊需要の増加により、オフィス・店舗・ホテルなどに対する投資が引き続き堅調に推移していることが挙げられる。

 「福岡市博多区・博多駅周辺」では、多くのオフィスビルにおいて新規賃料が上昇していることや、契約更新などにともなう増額改定も多く見られる状態が続いている。また、外国人観光客を中心に宿泊需要が強いことから、多くのホテル開発が進展。こうした要因から、同地区の地価動向は上昇傾向にある。今後についても、JR博多駅周辺のオフィスビルやホテル開発、筑紫口側における再開発の進展などにより、集客力が一層強化され、商業集積がさらに高まることが予想されることから、将来の地価動向も上昇が続くと予想されている。

 「熊本市中央区・下通周辺」では、建物の建替えや再開発などの熊本地震からの復興景気が持続するなか、開発機運の高まりによって地価動向は上昇傾向にあり、将来的にもこの傾向が続いていくとされている。

【坂田 憲治】

 

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