2024年11月28日( 木 )

ニューヨーク進出で好調のQBハウス(後)

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増える現地客比率に現場も手応え

国際チーフトレーナーの河野順弥さん

 「アジア人の髪質が一番難しい」と指摘するのは、QBハウス国際チーフトレーナーの河野順弥氏。香港進出時から人材教育を手がけてきた現場のエキスパートだ。「欧米人の髪質のほうがなじみやすい。一方アジア人は頭のかたちがさまざまで髪質が固い。また髪の生える方向もさまざま」。

 香港時代に1日50名をカットして腕を磨いた河野氏は、成熟したニューヨーカーにも満足してもらえると手ごたえを感じている。それはチップにも現れる。

 カット代は日本の倍の20ドル。チップは25%の5ドルが目安になるだろうが、普通に20ドルを渡す人もいる。チップ制度については社内で議論があった。チップ込み料金で設定しておけば、キャッシュレス化の時代にも対応できる。しかし「チップ込みにすれば価格設定を高めにしなければならないし、お客の選択権を奪う」として、支払い時はキャッシュを直接スタッフに渡すシステムを取った。

 まったくキャッシュを持たずに来店するお客も来店するが、退店後にATMで引き落として持ってきてくれる客もいる。チップはそのまま従業員の収入になり、QBハウスのレジを通すのはカット代のみとなるので、今後店舗網を広げるなかで、アメリカのサービス業で散見されるチップをめぐる労使トラブルを防ぐこともできる。

 まずは、日本人が来客し繁盛させNYの客が関心を持ってもらって、それを踏まえて現地化を進めるという計画通りに進んでいる。5店舗出店するまでに、「ここに出せたか」と思わせる好立地に旗艦店を出店して、NYから全米展開を加速させていく考えだ。

(了)
【鹿島 譲二】

<INFORMATION>
151 East 43rd Street
New York, NY 10017
E-mail:info@qbhouseusa.com
営業時間:月曜~金曜 午前8時~午後8時
     土曜・日曜 午前9時~午後6時

 
(中)

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