元「鉄人」衣笠氏が斬る!~日本シリーズを振り返る・よい勉強をしました(前)
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11月4日の日本シリーズで、今年のプロ野球シーズンは幕を閉じた。結果はソフトバンクの4勝2敗、今年は予想どおりパ・リーグのソフトバンクが日本一に輝き、強さ、結束力、そしてベンチと選手の「勝つんだ」という気持ちが見事に結集した戦いを見せたシーズンだった。
セ・リーグは、ペナントレースは昨年と同じように広島がダントツの強さを発揮して2位以下に10ゲーム以上の差をつけて見事優勝したのだが、CSでDeNAの勢いに押されて敗戦、DeNAが日本シリーズに出場した。CSの第2ステージは広島に1勝アドバンテージがあったのだが役に立たなかった。それほどDeNAの勢いは強く、DeNAは昨年の敗戦の屈辱を晴らすんだという勢いを全体に出して戦いを展開してきた、それに比べて広島は「勝たなければ」の意識が強く受け身になってしまったように感じた。勝負事の難しさを見るような展開だった。日本シリーズの戦いを見ると、今年は本当にいい戦いが続き、敗れたとはいえDeNAは本当にいい勉強になった日本シリーズではなかっただろうか?ソフトバンクにはまだまだ強いチームの戦い方、勝負所での対処の仕方、そして何としても勝つんだという執念が残っており、セ・リーグのチームは今年も勝てないだろうと思っていたが、対戦することによりいい経験と勉強が出来る機会が持てると信じていたから、DeNAは日本シリーズに出ることが素晴らしい勉強の機会だったと思う。
まず1試合目は福岡で行われたのだが、結果は10対1というDeNAとしては屈辱的な数字の敗戦を喫した。これが日本シリーズです。日本でたった1試合しかない試合をするのです。いつもはそれぞれの本拠地、遠征先で何試合もやっている試合が福岡だけでたった1試合、すべての野球ファンの注目を集めてやる試合。日本シリーズだけです。緊張したでしょう、しなければ嘘です、しなければいけません、出場することの素晴らしさを十分に楽しむために。思うように体が動かず敗戦でしたが、いいのです、次に活かせば。
そして2試合目、今度は先発の今永昇太投手が頑張り3対4という接戦での敗戦でしたが、十分に戦う準備はできたことでしょう。1戦目、2戦目、共に初回に先制点を取られたことは反省点として、3戦目からの横浜での対戦に備える準備ができたことでしょう。この試合6回に2本の本塁打で3点を奪い逆転したのですが、7回にリリーフ投手が頑張りきれず3点を取られて逆転負けをしました。これも経験です。ソフトバンクのそつのない点の取り方を目の前にして何を考えたでしょうか?
横浜での3試合目はどうしても勝たなければという思いから、チームに大きなプレッシャーがかかります、追い詰められての3戦目ということになりましたが、これもいい勉強になったでしょう。どんな気持ちでグランドに立てばいいのか、何を信じて戦えばいいのか、どうしても勝ちたいという思いが強い時にはどうすればいいのか?すべて経験です。
そんな中での先発投手がウィーランド投手でした。外国人特有の攻撃的な投球で5回3点までという先発投手の働きを見せて後の投手にバトンをつなぎがんばったのですが4回の失点が響き2対3で敗戦。いよいよ追い詰められました。これで対戦成績が0勝3敗という数字になり、本気で追い詰められたことを実感したでしょう。(つづく)
2017年11月11日
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