さかえ屋が労基法違反で書類送検
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福岡県飯塚市に拠点を置き、和洋菓子製造を手がける(株)さかえ屋と同社の専務が福岡労働局飯塚労働基準監督署より労働基準法違反で11月30日、書類送検されていたことがわかった。同労基署によると、同社に対して時間外労働に関する労使協定(36協定)の上限を超えた時間外労働が発生している主旨の是正勧告を再三行ったが、十分な是正に至らなかったことから、同日福岡地方検察庁への書類送検につながった。容疑は、今年3月1日~同月31日までの1カ月間、ケーキ・焼き菓子製造を担当する従業員29名が時間外労働時間(月70時間)を超えて働かされていた疑い。
同労基署の調べでは、最大102時間30分の残業を行っていた従業員もいた。NetIB‐NEWS編集部の取材に対し同社は、「36協定に定める上限時間外労働の順守に至らなかった事実を重く受け止め、担当役員が直轄する改善プロジェクトチームで労働管理を徹底的に見直し、長時間労働削減に向けてさまざまな取り組みを行っていく」とコメントした。
「36(さぶろく)協定」とは労働基準法36条に基づく労使間協定。企業が法定労働時間の1日8時間、週40時間を超える場合は、労働基準監督署に届け出る義務がある。通常の限度時間は月45時間であるが、同社は同協定に年6回(6カ月)を上限とする特別条項を付帯したことで指定する月(繁忙期など)に時間外労働が月70時間を超えても問題にはならなかった。しかし今回、それを違反した背景には、サービス業・製造業における深刻な人材不足がある。同社は2012年5月に創業者一族が退陣。15年1月より和洋菓子製造大手の(株)シャトレーゼ傘下となり、経営再建を図っていた。人手が不足するなかで労働問題をクリアするのは容易ではないかもしれない。だが、いかなる理由があっても、コンプライアンス違反は許されない。福岡を代表する和洋菓子店だけに今後、再発防止を求めたい。
【矢野 寛之】
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