九州地銀の業界再編を占う(4)
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今年も残りわずかとなったが、九州地銀の業界再編の動きのなかで大きな話題となったのは、やはりふくおかFGと十八銀行の経営統合が無期延期になったことだろう。実質白紙となった要因について時系列を追って振り返って見ることにしたい。
3.九州各県の歴史的な背景について
◆ふくおかFGと十八銀行との経営統合は経営統合は独占禁止法に抵触することによって白紙に戻った特殊なケースであることがわかった。人口の減少にともなう地域経済の縮小や日銀のマイナス金利の影響は大きく、九州地銀の業界再編はこれからが本番といえるのではないだろうか。
【表5】を見ていただきたい。
<この表から見えるもの>
◆大雑把ではあるが、九州地銀の金融再編は歴史的なつながりや地政学的な面から見ると、ある程度の予測がつくようだ。
・福岡県は筑前・筑後・豊前と別れている。3藩あり九州の表玄関であることがわかる。
・大分県は熊本県と県境を接して交流は深いが、参勤交代など人的・物流的には福岡県とのほうが歴史上さらに深いように思われる。
・佐賀県は明治維新の薩長土肥から連想されるように、南九州との人的な付き合いは深い。
・宮崎県の佐土原藩は島津藩の分家であり、鹿児島県と深いつながりがある。
・要するに九州の地銀がどのグループを選択しても、歴史的に問題はないといえるのではないだろうか。(つづく)
【(株)データ・マックス顧問 浜崎裕治】関連記事
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