中国経済新聞に学ぶ~日東電工 蘇州から撤退(後)
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日東電工は労働集約型の旧式産業か、それとも新しい電子産業?どちらにせよ、日東電工は撤退を決めた。
日東電工の撤退で、工員たちは自然と対応が間に合わなくなっている。旧正月がくるのに仕事を喪い、その後ろには1000家族の生計がある。人々はこの時になって安定した職業の重要さを痛感したことだろう。
一週間前には日本のCEOを「社長」と呼んでいたはずが、瞬く間に「小日本」に代わってしまった。中国から撤退する外資系企業の例にもれず、日東電工の行員が工場を占拠し、警官隊が出動し、政府が介入し、税務部門がフォローアップを行った。その結果はどこも同じである。「工員への補償は手厚く、政府の利益も手堅く」――福の神は入ってくるのは簡単だが、逃げ去るのは容易ではない。
事実、一部の外資系企業の蘇州撤退は、蘇州の投資環境に問題が起きたというよりも、中国の投資環境に問題が起きたためという方が正しい。ここ10年の国経済のたどってきた道を考えると、「収入倍増計画」により国民の収入は確実に増えはしたが、倍増した部分のほとんどは不動産市場に吸い取られてしまい、地方政府がこっそり大儲けしているのが現状だ。つまり、政府は人々の収入増加の責任を企業に押し付けて、そして人々が得た利益を、高値での土地譲渡や増税などの方法で自らの手に収めているということだ
企業は日に日に負担が増加し、工員は日に日に生活が苦しくなり、政府も銀行の利息を返しきれない、その問題はどこにあるのか?答えは「速さ」だ。次から次への新しい目標、一期ごとの前期越え、都市ごとの競争で、本来は足任せに歩いて行けるはずの道を、全員で走ることになってしまった。この全国民によるマラソンが中国の経済を疲弊させているのだ。それでも止まることはできない。なぜなら政府が銀国を攫い、銀行が不動産を攫い、不動産が人々を攫っている状況で、人々は企業を攫うしかないからだ。そして企業は攫う対象を見つけられず、逃げるしかない。外資系企業だけではなく、多くの民営企業も「いい女はよそにもいる」の様相を呈している。
経済と社会の発展モデルを変えなければ、中国の長期的な発展は望めないだろう。
こういった問題は誰もが目にしているが、誰もがどうすることもできない問題でもある。よって人々はアリババとテンセントが中国を救ってくれると信じるしかない。蘇州のある若者がネット上でこんな発言をした。「蘇州に低レベル産業はいらない!付加価値の低い製造業は淘汰されて当然!工場の地代が払えない奴は出ていけ!不動産と金融業こそが蘇州の未来だ!」
外資系企業が蘇州を離れ、中国を離れた後、中国というこのまだ若くして衰えてしまった世界の工場には、きっと見渡す限りの不動産を売る男女と、不動産を売り終わって国際線ターミナルへ急ぐ人々しか残らないに違いない。
(了)
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