「ベストカスタマー」を中心に置く5理念で オークラのあるべき姿を追求する(中)
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(株)ホテルオークラ福岡 代表取締役社長 水嶋 修三 氏
国内老舗ホテル御三家の一角を占める、ホテルオークラ。帝国ホテル創立者のD.N.A.を受け継ぎつつも同ホテルは、より迎賓館としての機能を発展させたという。西日本随一の繁華街・中洲の地を睥睨するように建つ威容はしかし、地域に溢れる文化の香りを色濃くまとう。
――ホテル業は宴会場や飲食部などの維持が大変ですね。
水嶋 弊社にはレストラン・バーが全部で7つもあるんです。お寿司屋さんだけは「高玉」さんに入っていただいていますが、自営の店の売上を伸ばすことができればそのままベースになるわけです。非常にうれしいことに、この飲食部が私の期待以上の数字をあげてくれたんですね。2年前の大改修から伸び悩んでいましたが、やっと認知され始めたのかもしれません。管理部門の社員であれ営業であれ、さまざまな社員がレストランの集客に努力していただいたおかげでこうなった。一種の改革もあったのかと思います。もちろんベースにあるのは、「うちのホテルは料理でもっている」という、最高の料理を提供している自負です。
――オークラ福岡名物の地ビールの歴史はどれくらいですか。
水嶋 開業以来ですから19年になりますね。最も、この地ビールのことを知らない方はまだまだ多い。お客さまにも「もっとアピールしたほうがいい」と助言されるくらいです(笑)。知る人ぞ知るではなく、「ホテルは知らない人もビールは知っている」くらいにまで広げたいですね。オークラで地ビールを手がけているのは福岡だけです。非常においしいビールで、全国でも珍しいと思います。
地道な営業姿勢こそ強み
――サービスの面でいえば、やはり接客のすばらしさには定評があります。それは伝統の強みと考えてよろしいのでしょうか。
水嶋 伝統とともに、現場の教育力だと思います。節目ごとの研修は行いますが、当ホテルが伝統的に強みにしているのはOJTの質の高さであり、先輩から後輩へと質の高いノウハウを受け継ぐことこそサービスの神髄だと考えています。
――サービス業は慢性的な人手不足に悩まされています。
水嶋 高校、短大、四年制大学、専門学校と、それぞれに採用試験を設けて新卒採用していますが、中途入社が多いのもこの業界の特長です。いろいろな方からの紹介だったり、自薦他薦含めた応募を経て入社してきます。ほとんどが経験者で、良い人材はどこでも引っ張りだこでしょう。そういう意味ではほかの産業に比べて人材が流動化している産業ですね。
新卒でいうと4大生の採用には苦労しています。最近の傾向として、私の最終面接まで残ってくるのはほとんど女性ですね。なかには外国人の方もいらっしゃいます。
――営業部門の強化はどのように行いますか。
水嶋 これについて、答えはそう簡単に見つからないと思います。私も含めて、ある程度福岡の企業や団体の内部事情を良く知っている人間が必要で、基本的にはさまざまな周年事業などの情報を教えたりヒントを与えながら育てていかねば。この企業や団体、この業界はこの時期に必ずこういった催しがあるといった情報をキャッチして毎年追いかけるような、そんな地道な取り組みが必要です。
そういう意味ではお得意さまが非常に大事です。定例化された案件であることは当然ですし、定例化されているからといって甘えてもいけない。対応がまずければ他のホテルに奪われるだろうし、逆もあり得る。「この企業のこの案件は~ホテルで決まっている」と、あきらめてはならないのです。最近の企業さんは割とシビアにみていますから、ずっと続いているほうが怖いくらいです。慣れが出ますから。
(つづく)
<COMPANY INFORMATION>
代 表:水嶋 修三
所在地:福岡市博多区下川端町3-2
設 立:1996年2月
資本金:5億円
売上高:(17/3)62億5,000万円<プロフィール>
水嶋 修三(みずしま・しゅうぞう)
1947年久留米市生まれ。70歳。北九州市立大学文学部卒業。2011年、(株)JTB九州社長から(株)ホテルオークラ福岡社長に就任。法人名
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