2024年12月23日( 月 )

元「鉄人」衣笠氏が斬る!~プロ野球、キャンプスタート(後)

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 1月31日に熱く語った言葉のまま、ルーツ監督はキャンプの最終日までキャンプの目的を連日選手に伝える作業を続けました。「もうわかってますよ!」と言っても彼は語りつづけます。
 初日にはひとごとのように思っていた「優勝」という文字が、この彼の熱意のためにキャンプの終盤にはハッキリと見えてきました。「初優勝」が目標、目的としてみんなの頭に入ったのだと思います。
 少なくとも私は「ひょっとしたら優勝できるかな?チャンスがあるのだからトライしなくては」と思えるところまで頭を切り替えました。彼のキャンプの本当の目的は、毎日の練習での技術の向上もありますが、むしろ頭の中にどれだけ「優勝」という言葉を叩き込むか、ここにあったのだと思います。なにせ当時のカープは、球団創立以来25年間、1度も優勝したことのないチームです。まず意識をもたせるところから始めたのでしょう。
 今年もその1月31日がやってきました。12球団の監督が選手、スタッフ全員にまずどんな言葉でこのキャンプの目的を語るか?そして今シーズンの目標をみんなの頭に、心の中に叩き込むことができるでしょうか?

 昨年の勝者ソフトバンクもいちからのスタートです、セ・リーグの広島も、大きな反省とともに日本一に向かってどうしても頑張らなければいけません。緒方監督の力量がはかれることでしょう。運良く日本シリーズに出られたDeNAも、日本シリーズの楽しさを経験したことでしょう。ロッテの新監督井口監督がどんな言葉で伝えるか?昨年少し往年の強さを思い出した西武辻監督は何を話すのでしょう。日本ハムは、すごい新人を抱えながら優勝というテーマにどう向き合うか?低迷期を迎えているオリックス福良監督は選手に何を話すのでしょうか?
 中日は森監督が若い投手陣に何を語るか?再度グラウンドに帰ってきたヤクルト小川監督、青木選手というすばらしいプレゼントを受け取り、勇気が湧いたことでしょう。勝負の3年目を迎えている阪神金本監督はこれまでの経験をどのように生かして選手たちを引き上げることができるか。そして名門巨人軍、このチームは毎年勝たなければファンが許してくれません。その宿命を背負いながら今年も勝負の場に立たなければいけません。高橋監督も辛いと思うが、それが巨人軍の監督の宿命です。

 もっともっとそれぞれのチームを深く見たいのですが、2月のキャンプ地での練習を見ながらゆっくりとお話していきたいと思います。

2018年1月31日
衣笠 祥雄

 
(前)

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