2024年11月03日( 日 )

福岡逓信病院、高邦会に売却か

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福岡逓信病院

 日本郵政グループが経営する福岡逓信病院(福岡市中央区)の売却先として、(医)高邦会(福岡県大川市)が急浮上していることがわかった。

 逓信病院は旧逓信省の職員を対象に開設された病院で、現在は一般の患者も受け入れている。2007年の郵政民営化に伴って日本郵政が事業を引き継ぎ、15年に日本郵政が上場して以降、収益力強化のために赤字を生む病院事業の整理・縮小を進めていた。今回の売却はその一環とみられる。

 16年3月期、日本郵政は病院事業で52億円の赤字を計上。かつて全国に14カ所あった逓信病院はすでに4病院を売却し、昨年は札幌、横浜、徳島の逓信病院を売却することを発表している。病床数192の中規模病院である福岡逓信病院は、内科のほかに眼科や皮膚科など9診療科を置くが、病院建物の老朽化が進んでいることから早期の建替えに迫られていた。

 関係者によると、昨年12月以降、日本郵政は野村証券グループの医療コンサルタント会社を介して、高邦会と聖マリア病院(福岡県久留米市)の2法人を中心に福岡逓信病院の売却先選定を進めていたという。
 当初は、飯塚病院(福岡県飯塚市)をもつ麻生グループなども売却先として候補に挙がっていたとみられるが、結果的に安倍政権と関係の深い巨大医療グループが福岡山王病院(福岡市早良区)に続いて2つ目の拠点を福岡市に築くことになった。
 高邦会が売却先として急浮上する過程で、同グループと関係の深い厚労族の大物政治家が影響力を発揮したとみられており、「政商」の異名をもつ高邦会・高木邦格理事長の力を見せつけたかたちだ。

 

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