平昌オリンピック開会式 世界の反応は?(前)
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日韓ビジネスコンサルタント 劉明鎬(在日経歴20年)
第23回平昌冬季オリンピックの開会式が、9日午後8時から韓国の北東部にある平昌オリンピックスタジアムで行われ、17日間の熱戦の幕が切って落とされた。
今回の平昌冬季オリンピックには、世界92カ国から約3,000人の選手が参加している。アメリカは歴代オリンピック最大規模である242名の選手を平昌オリンピックに参加させているし、アイスホッケー強豪であるカナダも230名の選手を平昌オリンピックに参加させ、選手団の規模では2番目になっている。
開催国である韓国はというと、15種目・144名の選手が今回のオリンピックに出場する。平昌オリンピックの大きな特徴の1つは、何と言っても、北朝鮮が韓国の提案を受け入れて、平昌オリンピックに参加し、南北合同チームで入場行進をしたことだろう。
平昌オリンピックの開催が迫っているなか、北朝鮮による核の脅威のため、国際的な緊張は非常に高まっていた。米朝両首脳の非難合戦は日増しにエスカレートし、一触即発の危機が懸念されていた。そのようななか、日本では「平昌オリンピックが開催される前に、アメリカは北朝鮮を奇襲攻撃するだろう」と主張する本や雑誌が、書店の本棚に並んでいた。
韓国内部の状況はというと、昨年朴前大統領が有罪判決を受けた崔順実(チェ・スンシル)スキャンダルの余波で、大手企業は以前と違い平昌オリンピック支援には消極的にならざるを得ない状況であった。
しかし、平昌オリンピックは、韓国にとっては1988年ソウル夏季オリンピック以降、約30年ぶりに韓国で開催される2回目のオリンピック。必ず成功させないといけない使命があった。韓国政府は世界の祭典であるオリンピックを何とか成功させるために奔走し、さまざまな逆境を乗り越えて、開催に漕ぎ着けた。改めて感動的な開幕式であった。
そのような背景もあって、平昌オリンピックは世界的な祭典でありながら、大会直前までそれほど盛り上がらず、開催自体が懸念されていた。とくに天候の面では、今年は日本も韓国も例年になく寒い日が続いていたが、予算の不足などの影響で、平昌オリンピック競技場には屋根がなく、開会式当日の寒さ対策などに準備委員会は頭を悩ませたに違いない。
幸い、開会式当日の天気は少し和らいだようだが、それでも夜になると、気温が急激に下がり、マイナス12度を記録した。参加した選手たちはとても寒い思いをしたことだろう。そのような厳しい条件下で行われた開会式だが、会場には2万5,000人の観衆が集まり、テレビ中継では3億5,000万人が見守ったようだ。
(つづく)
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