2024年11月24日( 日 )

九州地銀の「2018年3月期 第三四半期(17/12月)」を検証する(1)

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1.2018年3月期の第三四半期決算の発表日

【表1】【表2】を見ていただきたい。

この表から見えるもの

◆九州地銀(18行)のうち、2月1日(木)にトップで発表したのは南日本銀行。昨年は2月6日(月)だったので5日早く発表したことになる。昨年まで2回トップだった佐賀銀行は同じ2月2日だったが、今年は南日本銀行に後塵を拝した。来年の2月1日は金曜日であり、はたしてどこの銀行がトップで情報開示するのだろうか。

・反対に昨年一番遅かったのは大分銀行。今年は豊和銀行。ともに大分県の銀行だった。1日~14日間の開きがある。情報開示に対する意識は県によって違うようだ。

2.ふくおかFGと十八銀行の経営統合の行方

◆2年前の2016年2月26日、九州の地銀だけではなく、全国の地銀に大きな衝撃が走った。
ふくおかFGと十八銀行が経営統合することで基本合意書を締結したと発表し、以下のスケジュールを示したからだ。

◆しかし最終契約締結予定日1カ月前の昨年7月8日、公正取引委員会(以下公取委)が独禁法上の問題を提起したことから、赤信号が点滅することになった。

【表3】を見ていただきたい。

この表から見えるもの

◆これによりふくおかFGと十八銀行は17年1月20日、公取委の審査長期化に伴い統合時期を10月1日まで半年延期すると発表。この時はまだまだ経営統合できると見ていたようだ。
ともに「17年3月期 第三四半期決算」を17年2月7日、通期決算を「2017年5月10日」と同じ日に合わせていることからそれが証明できる。
◆しかし経営統合に対する公取委の「壁」は高かったようだ。そのため7月25日、ふくおかFGと十八銀行は10月1日に延期した経営統合を「時期未定」として無期延期すると発表。その時こそ双方が実質的な「破談」を決断したものと思われる。
◆それが読み取れるのは「18年度第一四半期決算」の発表日にある。ふくおかFGは8月4日(金)であり、十八銀行は8月7日(月)となっている。それ以降、決算発表日は全て別々の日となっているからだ。何気ない決算発表日ではあるが、経営成績のみならず、その裏にはそれぞれに深い思惑が隠されているようだ。

 さて、次回からは「第三四半期決算」を検証していくことにしたい。

(つづく)

【(株)データ・マックス顧問 浜崎裕治】

 
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