九州地銀の「2018年3月期 第三四半期(17/12月)」を検証する(3)
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2017年3月期(第3四半期)決算について
【表1】貸出金残高順位表を見ていただきたい。
この表から見えるもの
◆貸出金残高の順位変動はなかった。
◆貸出金残高トップは福岡銀行。前期比+1,250億円の9兆503億円。預貸率は上位地銀のなかでは一番高い87.9%。
・2位は西日本シティ銀行で前期比+2,419億円の6兆8,165億円。長崎銀行を加えた西日本FHの貸出金は7兆547億円(前期比+2,41億円)で、福岡銀行に大きく差をつけられているのがわかる。預貸率は83.4%。
・3位は肥後銀行で前期比+1,513億円(4.9%増)の3兆2,123億円。20016年4月14日に発生した熊本地震の復興資金需要によるものと見られる。預貸率は前期の67.3%から70.9%に改善している。
・4位は鹿児島銀行で前期比+1,347億円の3兆1,848億円。肥後銀行との差は109億円だったが、その差は275億円に広がっている。預貸率は前期の81.4%から81.8%に上昇している。
・5位は宮崎銀行で前期比+669億円の1兆9,086億円。預貸率は前期の76.9%から76.1%。
・6位は大分銀行で前期比+361億円の1兆7,685億円。預貸率は前期の61.2%から60.3%。
・7位は十八銀行で前期比+1,249億円と大きく増加させて1兆6,414億円。預貸率は59.8%から61.7%に改善。ふくおかFGとの経営統合が白紙となったことから、本気で動いている様子が見える。18/3月期は、まさにその真価を問われる正念場ではないだろうか。
・10位の熊本銀行は前期比+1,375億円の1兆2,840億円。増加率は12.0%と九州地銀18行のなかでトップ。熊本地震の復興資金需要に地道に取り組んだ成果といえるのではないだろうか。預貸率は前期の79.7%から86.2%と大きく上昇している。
・11位の北九州銀行は前期比+666億円(6.4%増)の1兆1,060億円。前期の預貸率は96.9%だったが、再びオーバーローンの108.6%。貸出金だけではなく、安定した預金の増強も求められているようだ。
・12位の南日本銀行の貸出金は前期比+17億円の5,672億円。以下最下位は佐賀共栄銀行で前期比+30億円の1,838億円。預貸率は78.7%。◆九州地銀の平均預貸率は78.2%。それを下回っている銀行は11行。マイナス金利の影響で今後も厳しい経営が続くことになりそうだ。
十八銀行は今まで九州地銀18行のうち、最下位の預貸率だったが、大分銀行60.3%となったことから不名誉な地位を大分銀行に譲っている。はたして大分銀行の巻き返しはあるのだろうか。両行の18年3月期の預貸率が注目を集めそうだ。※クリックで拡大
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