2024年11月28日( 木 )

中国経済新聞に学ぶ~中国「トイレ革命」日本企業に好機(前)

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 中国の習近平国家主席は2015年以来の「トイレ革命」を訴える重要指示を出し、「トイレ問題は小さいことではなく、文明的な都市と農村を建設するうえで重要な分野だ」などと強調している。昨年11月に再び「トイレ革命」に関する指示を発表。観光地や都市、そして農村のトイレにも革命を起こし、市民生活に影響する問題点を解決することを求めた。これを受けて、中国共産党機関紙「人民日報」や中国人民解放軍機関紙「解放軍報」など中国各紙はいずれも一面トップで、習氏の「トイレ革命」の記事と解説を合わせて掲載した。中国の「トイレ革命」は、習主席にとって当面の急務だ。

 中国といえば、「ニーハオトイレ」を想像する人も多いだろう。たしかに中国、とくに地方都市の公衆トイレは露天にレンガを積み上げて壁をつくり、地面に穴を掘って板を渡しただけのようなものも多い。都市部では今や少なくなったが、田舎の観光地や農村だとまだまだ殘っている。不潔で、外国人からすると絶対に入りたくない場所の1つとなっている。

 農村部の民家を訪ねると、エアコンや太陽熱温水器、大画面テレビがそろっている家でも、トイレは水洗式でなく、悪臭が漂っているという。地方の学校では豪華な庭園を整備しながら、トイレは後回しになっているケースが目立つ。

 衛生観念がまだまだ低い中国では、こうした不衛生な状況が、伝染病の発生源となる一因だとも言われている。

 中国の公衆トイレが汚い理由の1つは、トイレの設備や技術が立ち遅れていること。掃除はというとモップを使って汚れを広げているだけである。もう1つは、利用者が多すぎて管理しきれないことだ。

 トイレの普及促進に取り組む非営利組織(NPO)「世界トイレ機関」の設立者で「ミスター・トイレ」の異名を取るジャック・シム氏は「中国は豊かな自然や文化、歴史をもつ美しい国だが、これまで清潔なトイレがないために旅行先として売り込むことができなかった。ツアーで訪れた外国人が不潔なトイレに驚いて帰り、旅行社に苦情をいうケースが絶えないからだ」と話す。

 中国国家旅遊局の李金早局長は『トイレマナーの悪さは自国の公衆トイレを汚すのみならず、国外で祖国に恥をかかせることになる。我が国では長きに渡り、トイレ文化の教育が不足してきた。一方で、日本はトイレ教育をしっかりやってきたことで急速なトイレ改革を実現し、今のような世界的に有名な美しい国になれたのである。30年余り前、日本のトイレも暗く、汚く、臭かった。しかし、1984年よりトイレ改革を実施し、トイレは不浄なものというタブー観念の打破、トイレ環境への意識向上に努めた。子どもにトイレ教育をする際には、トイレの神様が家の平和を守ってくれるからトイレはきれいに掃除しなければならないという意識を芽生えさせ、一部地域には、トイレをきれいに掃除する女性は神さまの恩恵を受け、美しい子どもを生むことができるという言い伝えさえある」と語っている。

(つづく)


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