中国経済新聞に学ぶ~中国「トイレ革命」日本企業に好機(後)
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中国が2015年にトイレ環境の改善に着手してから、2017年11月時点では当初の目標を大きく上回る6万8,000カ所のトイレが整備されてきた。金額にして2,200億円という巨額な予算が使われているが、それでもまだ一部の観光地でキレイなトイレが普及しているのみ。国家旅遊局は2018年1月に再びトイレ革命3年計画を打ち出した。2020年までに6万4,000カ所のトイレを建設あるいは改修し、十分な数と合理的な配置、有効な管理、衛生やマナーの維持を実現するという。1回目の3年計画では200億元(約3,400億円)以上の資金がトイレ建設に充てられ、今年までに5万7,000カ所という目標を上回る6万8,000カ所の建設、改修が行われた。
中国の「トイレ革命」は「トイレ先進国」日本のメーカーの好機となっている。衛生陶器最大手のTOTOは16年度の中国での温水洗浄便座販売台数が前年度比47%増と好調。海外事業全体の売上高の約半分を中国(約632億円)が占める。
同社は中国事業を強化しており、上海など都市部のオフィスビル、高級ホテル、国際空港など、各所で同社のトイレを見かけるようになった。TOTO人気は中国の一般家庭でも広がっている。数年前、訪日中国人客のお土産ランキング上位にウォシュレット(温水洗浄便座)が入っていたことは、記憶に新しい。2017年9月中間期の中国でのウォシュレット販売台数は、前年同期比で25%増だった。
中国での人気について、同社広報部は「早くから進出しており、ブランドを認識して頂いている。中国ではトイレの節水規制があるが、『一回流してきちんと流れるトイレ』として技術力が評価されている。中国でもトイレは生活水準を示すものというより、客に対するサービスだと認識が変わってくるだろう」としている。
このほかに、住宅設備最大手のLIXILグループ、衛生陶器・水栓金具メーカーのアサヒ衛陶、簡易水洗トイレを手がけるネボン、便器、洗面化粧台など衛生陶器のジャニスエ業などにも注目が集まりそうだ。ネポンは中国トイレ革命が中国全土で推進されると報道があった翌日の2017年11月27日にストップ高になった銘柄だ。アサヒ衛陶はアジアに全量委託生産している企業だ。中国トイレ革命が中国全土で推進されると報じられると、翌日28日にはアサヒ衛陶も前場でストップ高に張り付いた。浄化槽などの排水処理事業や衛生陶器など住宅機器を手がけているダイキアクシスは中国での浄化槽の製造・販売を目的に、凌志環保(中国)と新会社を設立すると発表。今年3月にも新会社を設立する計画だ。これはまさに中国トイレ革命を視野に入れた動きだといえよう。
中国では今後、「トイレ革命」が全土において推進されようとしている、需要は相当な規模におよぶことはいうまでもない。中国「トイレ革命」関連銘柄は立派な「テーマ株」といえる。
(了)
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