2024年11月17日( 日 )

スルガ銀行~「かぼちゃの馬車」への融資を検証する(前)

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 【表1】を見ていただきたい。全国に105の地銀がある。内訳は第一地銀が64行で、第二地銀は41行。都道府県別で見ると、地銀の数が一番多いのは福岡県で5行。次が東京都・大阪府・静岡県がともに4行となっている。複数の地銀が競合する地域では、経営統合の動きが急ピッチで進んでいるようだ。

この表から見えるもの

◆地銀5行の福岡県
・もともとは4行だったが、山口銀行が九州にある支店を営業譲渡して北九州銀行を設立(2011年10月3日)したことから、第一地銀4行(福岡銀行、西日本シティ銀行、筑邦銀行、北九州銀行)。第二地銀1行(福岡中央銀行)の計5行となり、全国で最多となった。

・ふくおかFG(福岡銀行・熊本銀行・親和銀行)、西日本FH(西日本シティ銀行・長崎銀行)に対して、山口FG(山口銀行・もみじ銀行)が北九州銀行を新設したからだ。

・福岡県の推計人口(17年10月1日)は511万人で、一行あたりのパーヘッドは102万人となり、金融激戦地区となっている。

・福岡銀行と西日本シティ銀行の狭間のなかで生き残るのは厳しい。そのため規模の一番小さい福岡中央銀行は歴代福岡銀行出身者が頭取を務めており、実質的にはふくおかFG傘下銀行となっている。ゼロ金利政策が続くなか、二番目に規模の小さい筑邦銀行がどこと経営統合するかに金融関係者の関心が集まっているようだ。

◆地銀4行の東京都
 その内訳は第一地銀1行(東京都民銀行)。第二地銀3行(八千代銀行・東日本銀行・東京スター銀行)。

◆メガバンク5行のうち、三菱東京UFJ銀行(17年4月より三菱UFJ銀行)、みずほ銀行、三井住友銀行3行の本店が東京にあり、地銀が単独で生きていくのは厳しい状況となっている。ちなみに残り二行の埼玉りそな銀行の本店は埼玉県。りそな銀行は大阪府で、ともにりそなHDの傘下銀行。

・そのため東京都民銀行(三井住友信託銀行系列)は東京きらぼしFGを設立。八千代銀行と合併して、きらぼし銀行となる予定。

・東日本銀行は横浜銀行と経営統合し、コンコルディアFGの傘下銀行となっている。

・東京スター銀行は台湾大手の中国信託商業銀行の系列行となっている。

◆地銀4行の大阪府
 その内訳は第一地銀2行(近畿大阪銀行・池田泉州銀行)。第二地銀2行(関西アーバン銀行・大正銀行)。

・近畿大阪銀行は、りそなHDが2017年11月に設立した関西みらいFGの傘下に入った。今年4月には、関西アーバン銀行とみなと銀行(兵庫県)もその傘下に入る。近畿大阪銀行と関西アーバン銀行は来年4月に合併し、関西みらい銀行となる。

・池田泉州銀行は独立系ではあるが、三菱東京UFJ銀行と親密な関係にある。

・大正銀行は四国の徳島銀行・香川銀行の3行で設立した、トモニホールディングスの傘下銀行となっている。大都市圏では地銀の金融統合は急速に進んでいるのが読み取れる。

 次は静岡県の地銀4行。とくに女性専用のシェアハウス「かぼちゃの馬車」で問題となっているスルガ銀行を中心に検証していくことにしたい。

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(つづく)
【(株)データ・マックス顧問 浜崎 裕治】

 
(中)

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