積水ハウス、お家騒動の第2ラウンド 新役員人選で抗争は必至(後)
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取締役・執行役員の人選で、社内抗争は激化
積水ハウスは2018年4月下旬に定期株主総会を開催する。新社長に就いた仲井嘉浩氏(52)の新体制が発足する。新体制の役員陣容は3月下旬の取締役会で決まる。毎日新聞は前出の記事で、阿部俊則会長の発言を、こう伝えている。
〈阿部氏は会見で、「企業統治の改革を不退転の決意でやるのが、私の責務。新しい積水ハウスをつくっていきたい」と強調。代表取締役の70歳定年制の導入は、76歳まで会長を務めた和田氏を念頭に決めたとみられるが、阿部氏は言及を避けた。今後、社外取締役や監査役に女性を登用するなどの改革にも取り組むとしている。〉
取締役相談役の和田氏の退任は確実だ。11人の取締役のうち、和田氏を支持した取締役は4人。社外取締役の三枝輝行氏(77、サエグサ流通研究所代表取締役)と涌井史郎氏(72、東京都市大学特別教授)はどちらを支持したのだろうか。執行役員28人の大半は日和見だろうが、和田氏に引き上げられた和田派は少なくない。取締役や執行役員など新体制の人選を進める中で、社内対立が激化するのは必至だ。
調査対策委員会がまとめた調査報告書は、マスコミに断片的な内容がリークされているが、正式には公表されていない。阿部社長と和田会長の責任がより詳しく書かれているとされる報告書が公表されると、阿部氏と和田氏の“同罪”論が出てくるのは避けられない。和田氏が辞めるからには、阿部氏も辞任すべきだとの声が強まるだろう。とどのつまり、阿部氏と和田氏の取締役ダブル辞任だ。その結果、新実力者となった稲垣士郎氏が会長に就き、“院政”を敷くことになるかもしれない。3月末に決定する役員人事の見どころだ。
(了)
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