北九州メーカー、発展のカギを世界市場に求める~TOTO、YASKAWA(後)
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TOTOと並び北九州を代表するメーカー・安川電機。設立は1915年で、こちらも100年を超える業歴を誇る。設立当時の主力製品はモーター。北九州地区や筑豊地区の炭鉱で、坑内から石炭を運び出したり、排水ポンプに使用したりと、大活躍していた。モーター、そしてその制御技術を100年かけて磨き上げてきたのである。1977年、その技術を用いて生み出されたメルクマール的な製品が「モートマン」だ。モーターの技術と制御技術(モーションコントロール)を高度に組み合わせ、産業用ロボットのさきがけとなった製品だ。ここから産業ロボット分野での活躍が始まり、今では産業ロボットトップ企業の1社に名を連ね、確固たる地位を確立した。そして、その地位に甘んじることなく、さらなる発展を目指して掲げられたのが2025年までに売上高8,000億円を達成するという目標である。同社の17年3月期の同社連結売上高が3,948億円だから、実に倍増を計画しているのである。
そのためのカギの1つは、やはり海外にある。安川電機には31の関連会社があるが、うち17社が海外法人となっている。代表的な子会社に米国安川(アメリカ・イリノイ州)と、安川電機(中国)(中国・上海市)があるが、それぞれ、売上高は安川電機の連結売上高の1割を超える。安川電機グループでは日本以外での売上高が66%を占めている。国内の売上を追い越した格好だ。
もちろん、国内需要にも対応したい考えで、現在、介護の現場で活躍するロボットを研究開発している。これまで培ってきた基礎技術を用いて、国内外、それぞれの地のニーズに合致した商品を展開していく戦略をとる。
TOTO、安川電機。両社は国内の成熟した市場から、リスクはあってもパイの大きい、未来に希望の持てる市場へと漕ぎ出しているのである。共通していえるのは、100年を超える企業でもチャレンジ精神を忘れていないということ。企業規模の大小を問わず、国内で安穏としていられる時代は、すでに終わっているのかもしれない。
(了)
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