2024年11月28日( 木 )

大統領経験者がまた逮捕、疑惑の李明博、韓国元大統領(後)

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日韓ビジネスコンサルタント 劉明鎬(在日経歴20年)

 ソウル市長在職時に、李市長は清渓川復元工事やバス専用ラインをつくるなど、市長として大きな成果を出す。とくに、清渓川の復元工事は市民の猛烈な反対を押し切って推進することになるが、結果的には大きな成功となる。
 それからラッシュ時に庶民の足であるバスの専用ラインを設ける政策も推進し、渋滞に巻き込まれずに出勤できるような交通政策を定着させる。このような市長時代の功績を足がかりに、李は2008年、大統領選挙に出馬し、第17代の大統領になる。
 大統領になってからは、自由貿易協定(FTA)の締結、平昌冬季オリンピックの誘致、UAEの原発受注など、大きな成果を上げる。しかし、大統領として、成功だけでなく、大きな失敗も経験する。その代表的なものとしては、4大河川プロジェクト、資源外交、それから、大統領自身が竹島に上陸したことにより、日韓関係を悪化させるきっかけを作ったことなどだろう。

 それでは、今回李元大統領が逮捕されるようになった収賄と横領について、もう少し詳しくみて見よう。
 かなりいろいろな疑惑が持ち上がっているが、そのなかでもコアになる事項を紹介しよう。自動車部品会社「ダース」の実際のオーナーが誰であるかが明らかになれば、事実のほとんどは解明されるだろう。ダースは現代自動車に自動車のシートを納品するために設立された会社で、現代自動車とKIA自動車に独占的に自動車部品を供給できる権利を持っている会社だ。
 ダースの現在の会長は李元大統領の兄で、息子のシヒョン氏は代表取締役、それから中国の4つの法人の代表取締役もかねている。李元大統領はダースは自分とは関係がなく、兄の会社であると主張しているが、実際のオーナーは李元大統領であるとされている。その根拠として、李元大統領も夫人も、ダースの法人カードを持っていて、5年間4億5千万ウォンほどを使っているという。実際のオーナーでないと、そのようなことは不可能だろう。
 また、ダースは莫大な利益が発生しているにも関わらず、株主に配当をしていないという。今の株主は名前を貸しているだけで、実際の株主ではないので、配当ができないというのが、その理由だ。 また、BBKという投資諮問会社がある。代表取締役は金キョンジュンである。彼はBBKの資金を横領した疑いで7年の懲役を言い渡され、今現在は刑を終え、アメリカに滞在している。そのBBKにダースも190億ウォンを投資することになる。BBKの資金を横領してアメリカに逃げた金キョンジュンに対して資金を返してもらう過程で、大統領府、在米韓国大使館などが深く関与したことが明らかになっている。その圧力に屈し、金は140億ウォンをダースに返すことになる。

 もし、ダースが李元大統領の会社ではなかったら、このように大統領府と大使館が動くかは疑問だ。このような事実からダースは李元大統領の会社であると推定される。また、ダースの裁判費用をサムスンが肩代わりしたことも証拠の1つにあげられる。本人は現在すべての容疑を否認し、これは政治的報復であると主張しているが、真実はすぐに明らかになるだろう。

(了)

 
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