中国経済新聞に学ぶ~習主席の2期目新体制が本格的にスター卜(前)
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約3,000人が出席する中国の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)が、北京の人民大会堂で5日から20日まで16日間の日程で開催された。
最大の議題は、2期限定とされる国家主席の任期を撤廃する憲法改正案だ。
2票反対、3票棄権で、憲法改正案を通過され、習近平国家主席に10年を超える長期政権の道が開けた。
習主席は2020年までにすべての国民が、そこそこ豊かな生活を享受する「小康社会」の実現、2035年までに「社会主義現代化」国家の実現を約束している。
習主席指導部は昨秋、2期目の党人事を決定。全人代では政府や国家の新体制を決める。党が国家を指導する中国独特の政治システムだ。三中全会で採択したコミュニケは「機構改革の主要任務は各分野で党の指導を強化すること」と説明した。王岐山氏国家副主席に
党大会で党規約に盛り込まれた習主席の政治思想「習近平新時代の中国の特色ある社会主義思想」を憲法に明記されたほか、新たに設立される汚職取り締まり独立機関「国家監察委員会」に憲法上の根拠を与える文言も修正された。今年審議される唯一の法案は、同委員会の設置根拠となる「監察法」の制定だ。
政府の主要ポストの大幅な人事刷新も行われ、複数の副首相や、新たな閣僚、中国人民銀行(中央銀行)総裁などが決まったほか、党の部署と政府省庁の再編も行われた。最も注目されているのが、国家副主席の人事だ。
習主席の盟友で、昨年まで党の最高意思決定機関である中央政治局常務委員会の委員として腐敗撲滅の陣頭指揮にあたった王岐山氏が、1票の反対だけで国家副主席に就いた。
今回の全人代で決める憲法改正では国家主席だけでなく国家副主席の任期上限も撤廃した。習主席が2期目を終える2023年以降も「習―王体制」の継続が制度上可能となる。王氏は汚職摘発を指揮し、習主席の権力基盤固めを支えてきた。副主席就任で習主席の治世は一段と盤石になった。李首相の影響力は限定的
李克強首相が再選され、向こう5年間の2期目の習近平体制でも首相を務めることになったが、習主席が圧倒的な権力を掌握する中、影響力は歴代の首相と比べて限定的なものになるという見方も出ている。
習主席の最高経済顧問を務める劉鷯氏は、経済・財政担当の副首相にも就任された。
副首相に就いたのは韓正氏と劉鷯氏にくわえて、李克強首相と同じ共産主義青年団(共青団)出身の胡春華・前広東省党委員会書記と孫春蘭・前党統一戦線工作部長。
韓氏は筆頭副首相として経済政策を担うが、上海市勤務が長く中央の経験がほぼない。このため劉氏が経済運営の司令塔になりそう。劉氏は党中央財経指導小組弁公室主任を務め、習主席の信頼が厚い。マクロ経済、金融、通商政策などを幅広く担当するとみられる。
外交では王毅外相は続投したうえで国務委員(副首相級)に昇格した。
国家副主席に就いた王岐山氏、これまで外交トップとして対米外交などで重要な役割をはたしてきた楊氏、王氏の3人で外交を取り仕切る布陣となりそうだ。(つづく)
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