西日本フィナンシャルホールディングス、久保田勇夫会長新春経済講演会(4)
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中国・習政権2期目は権力集中へ
中国につきましては簡単に申し上げます。政権的には習近平政権が第2期目に入って、権力の集中がさらに進んだこと、および後継者が未定であるということがあります。中国の政権の交代は伝統的に難しい話で、これを巡り不安定感がありましたが、ここ何代かはようやく2つのことで安定化を保ってきたと言われています。この安定化のプロセスの下で約30年間やってきたわけです。1つは集団指導体制であり、2つ目は常に次の後継者がわかるようにするということでございます。しかし、今回の習近平主席の2期目のプロセスのなかではこの両方ともこれまでとは反対の傾向がみられるわけです。別の表現でいえば、いわゆる権力の集中、独裁化の進展であります。もう1つ、この2期目の特色として政治、経済を含めて「一帯一路」、大国を目指しているということ。今日は時間がありませんので細かい事は申し上げません。いずれにしろ国内経済面で見ますと、これによってここ5年間は習近平政権がしっかりするということで、国民の受けを狙った異常な金融政策なり経済政策を採る必要がなくなったという意味において、経済的にはプラス要因でありますし、それからその経済政策の方向自体はあまりおかしな方向に行っていないので、そういう意味でもこれは安定的であります。他方、そういう新しい方向の下において、中国については、経済について今まで国内政治状況などを勘案して、かなり寛容寛大に処してきたけれども、もうその必要はないのではないか、またどうも経済状況を見ると、思っていたほど強くないのではないかというふうな印象が出てきております。そして、そういうことであれば、経済面についてもはっきりしようではないかというのが米国にも欧州にも出てきているように思います。貿易問題について米国はより強い態度に出る気配がありますし、仏のマクロン大統領も、フランスも中国企業の自国に対する投資に対して、中国の場合と同様に、フランスでも中国からの投資の審査については、戦略的なセクターの保護の観点も考慮して対応したいと述べるに到っています。
そして政治的な面についても、中国に対するより強い反応、警戒心がみられるように思います。しかもその原因はトランプ大統領の「アメリカ第一王義」であり、それは自分の国しか考えないということと、より明確にいえば、米国として安全保障体制に従来と同程度のコミットはしないということにも起因しているようであります。これは政治の問題でございますので私の得意とするところではございませんが、NATO(北大西洋条約機構)との共同安全保障の約束をしっかり守るということの明言をしなかったというのですね。こういう事が中国に対してこれまでより以上に周辺国に対して進出をさせてしまったという反省があるようであります。いずれにしましても中国については、政策はこういう雰囲気であります。
それから日本については、選挙による与党の大勝がありまして、いろいろあるわけであります。
(つづく)
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