積水ハウスの株主総会、人事案を可決~阿部会長69%、稲垣副会長73%、賛成率の読み方(前)
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積水ハウスは4月26日、大阪市北区のウエスティングホテル大阪2Fローズルームで、第67回定時株主総会を開催した。積水ハウスのドンと言われた和田勇会長(当時)が事実上解任されたクーデターで誕生した阿部俊則会長を中心とした新経営体制が迎える初の総会だ。取締役選任など会社側提案の5議案が可決した。だが、東京・五反田のマンション用地の地面師詐欺事件をめぐる責任問題で、株主からの批判が強かったという。
助言会社は阿部会長と稲垣副会長の選任に反対を推奨
積水ハウスは4月27日、臨時報告書を開示した。株主総会における決議事項の決議の賛否を明らかにするものだ。
最大の焦点は第2号議案の取締役11人選任の件。取締役選任の結果はこうだ。積水ハウスの株主総会が注目された点は2つある。
1つは 投資家への議決権行使助言を手がける米インスティテューショナル・シェアホルダー・サービシーズ(ISS)と米グラスルイスの2社が、取締役選任議案のうち阿部俊則会長と稲垣士郎副会長の反対を推奨したこと。
2つは機関投資家がどういう投票行動をとるかという点だ。この件については後で触れる。積水ハウスは昨年55億円の特別損失を出したマンション用地詐欺事件をきっかけに、その経営責任を巡り、和田勇会長(当時、現・相談役)と社長だった阿部氏が対立。1月24日の取締役会で双方の解任動議が提出された末、和田氏が辞任に追い込まれた。
積水ハウスは今年3月、詐欺事件の概要を公表したが、弁護士らでつくる調査対策委員会がまとめた報告書の全文は明かしていない。助言会社は、地面師詐欺事件の調査報告書をめぐる情報開示が不透明という理由に、阿部氏と稲垣氏の選任に反対を推奨した。
2人にどの程度の反対票が出るかに注目が集まった。総会前には、かなりの反対票が出るのではないかとの観測があった。というのは、機関投資家が反対票を投じるのでは、と見られていたからだ。(つづく)
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