インターネットセキュリティの切り札「LiPEX(ライペックス)」(前)
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日韓ビジネスコンサルタント 劉明鎬(在日経歴20年)
インターネットは、世界中のサーバーや個々人のパソコンとつながって世界規模の大きなネットワークを形成している。インターネットは1990年ごろから世界的に普及し始め、現在はパソコンだけでなく、スマホなどでも、いつでもどこでもインターネットにアクセスできるようになっている。
インターネットは私たちの生活や仕事など、さまざまな場面で活用されていて、インターネットのない生活は想像ができないほど身近な存在になっている。その結果、私たちはインターネットを使って、情報の検索、メールのやり取り、動画閲覧、買い物、ホテルの予約など、ありとあらゆることを行っている。
このようにインターネットは私たちの生活や仕事に変化をもたらし、生活を便利にしてくれている反面、セキュリティが問題になっていることも事実である。残念ながらインターネットを利用している人の中には、これを悪用する人もいて、不特定多数の人に対して攻撃を仕掛けたりする。所謂ハッカーと呼ばれる人たちである。
彼らはコンピューターの専門的な知識を持っていて、場合によっては、それが犯罪に使われたりする。彼らの手法は、インターネットを通じてウイルスを送りつけたり、迷惑メールを送ったり、政府機関や企業のサーバーやシステムに不正アクセスを行ったりすることである。その結果、サーバーやシステムが停止する被害にあったり、ホームページが改ざんされたり、顧客情報など、企業にとって重要情報が盗まれたりする。
インターネットが大分普及したことで、現実の空間と同じくらい、ネット空間が大事な空間になり、インターネットを狙ったサイバー攻撃や犯罪が頻繁に発生するようになっている。とくに、最近マルウェアなどの悪性ウイルスが頻繁にメディアを賑わしているのでご存知の方も多いだろう。
ウイルスとは、もともと医学用語で、人間が病気にかかるときの病原体のことをさすが、インターネットでもネットワークやコンピューターに問題を起こすものをウイルスとしている。ウイルスは、メールを開いたり、ホームページ閲覧したりする際に、コンピューターに侵入する特殊なプログラムのことをいう。最近ウイルスといわずに、マルウェアと呼ばれるものもあるが、これもウイルスの一種である。
数年前まではウイルスは記憶媒体を介して感染していたが、インターネットが発達した現在は、ウイルスは送られたメールや添付ファイルをクリックすることで感染されることが多い。ウイルスの中には、もっと危険度が高いものもあって、ハードディスクに保管されているファイルを削除したり、パスワードなどのデータを外部に自動的に送信したり、コンピューターが起動できないようにしたりするウイルスもある。このようなウイルスは、もっと大きな被害をもたらすことになる。
このように、インターネット時代になって、今までにないセキュリティ問題が大きくクローズアップしている。とくに、データをクラウドに保存することが多くなった現在では、クラウド上にある大切な個人情報が漏洩したりはしないのか懸念されている。インターネットでは、ログインする際に、IDとパスワードが一般的に使われているが、サーバーに保存されている大事な顧客パスワード情報が流出する事故も多発している。それに、政府機関のサイトが攻撃を受け、一定期間ページがダウンした被害なども報告されている。
(つづく)
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