2024年12月23日( 月 )

個人店からRCも手がける総合建設会社へ、大型の木造建築に大きな強み(前)

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(株)OZ工務店

健康に配慮した家や2020年基準品質住宅も

サンレジア学研都市

 早良区飯倉の閑静な住宅街に本社を構える(株)OZ工務店。注文住宅や建売住宅、アパート、タウンハウス、テナントビル、公共工事、リフォームまで手がけ、工法も木造からRCまで幅広く対応している。印象的なOZという社名はOFFER・ZONE(オファー・ゾーン)の略。「この街のためにたしかな技術を提供する」との思いが込められている。

 設立は2005年。父の代から大工だという小川和敏社長が個人の工務店として創業した。「建築会社から請け負う大工仕事は、使用木材などもあらかじめ決められて建築の一部門という扱いになり、面白みを感じなくなっていました。そこへ友人から新築するので家1軒、丸ごと任せたいとオーダーが入りました。その経験が自信になったので、思い切って工務店を起こしたのです」と小川社長。その後、法人化するなど徐々に規模を拡大し、RCの大型物件まで扱う総合建設会社に育てた。現在の売上は木造とRCで半々くらいの比率だという。
 「RC物件は請負業務も多いのですが、ありがたいことにうちの技術力に高い信頼をいただいていて順調ですね」。

 自社施工による注文住宅や建売住宅の施工例を見ると、直線の美しさを押し出した洗練されたデザインが印象的だ。しかし、こだわりは外観だけではない。建材や国が新築住宅に対して定めた「2020年基準品質」など、長く安心して住める高性能を誇る住宅をラインナップし、「この街のためにたしかな技術を提供する」という社是に基づいた誠実な仕事を行なっている。

白金ビル1615

 建材で特徴的なのは「FFC®️免疫加工」を施した木材やクロスなどを使っていることだ。現代の木材は酸性雨や大気汚染の影響で体に良いとはいえなくなっている。また、クロスなどは化学薬品を使って商品化されており、これらの影響でアレルギーやアトピーを引き起こす可能性が高い。ところが、この加工技術を使うと、木材やクロスに含まれる水分に水溶性の鉄ミネラル2種類を浸透させることで化学的な害を最小限に抑えることができる。「悪玉菌の室内浮遊率を下げ、善玉菌だけが漂うイメージです。その効果をお客さまに伝えるため、免疫加工した木材のうえに数年間置いたミカンを見せるのですが、実が腐って崩れておらず、驚かれますね。免疫加工建材で建てたお客さまから娘さんの鼻炎が治ったといっていただき、喜んでもらったこともあります」。

 2020年基準品質とは、耐震が最高級等級の3で、二酸化炭素の排出が抑制された認定低炭素住宅であり、外部からの延焼防止や各室防火、他室への延焼遅延などに優れた省令準耐火仕様であるなど、3つの基準をクリアした住宅のこと。住宅会社が新築物件を建てる場合、この基準を満たすことを国が義務化した。

 同社では、東証一部上場の木質建材メーカー、ウッドワンとコラボレーションして2020年基準品質クリア住宅「ONES CUBO 木の家ALFERIO(アルフェリオ)」も展開。これからの住宅のあり方を提案している。

(つづく)

<COMPANY INFORMATION>
代 表:小川 和敏
所在地:福岡市早良区飯倉3-38-3
設 立:2005年9月
資本金:2,000万円
TEL:092-833-6780
URL:http://www.ozkoumuten.com

<プロフィール>
小川 和敏(おがわ・かずとし)
 福岡市早良区出身。1967年3月13日生まれ。福岡工業高校卒。97年10月に小川工務店を創業。2005年9月に(有)OZ工務店に法人改組。07年11月には(株)OZ工務店に商号変更。趣味はおいしいものを探しての食べ歩き。

 
(後)

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