個人店からRCも手がける総合建設会社へ、大型の木造建築に大きな強み(後)
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(株) OZ工務店
目指すは年商40億円、九州トップ100社入り
社員数は20名。11名は工事現場の管理者だ。20代、30代が多く、「若手が会社を引っ張っている」と小川社長。経営のやり方は現場に任せる主義で、今も全仕事を把握するため現場は回るが口は出さない。「以前は細かなことまでいろいろ指示していました。私が大工出身なので、小さな不具合は自分で手直ししたりもしていたのです。しかし、ある時、ソフトバンクの孫正義さんが『社長の仕事は部下に任せることである』というニュアンスのことを自著のなかで言っていて、なるほどと思い、以後、改めることにしたのです」。
すると会社の雰囲気が変わったという。社員が自ら課題や問題点を見つけて解決するようになったのだ。「経営上、私が解決しなければいけない問題など、肝心な時は出て行きますが、今では設計も含めてすべてを任せています」。ただ、週に1回、全社員を集めて会議を開き、現場や新規物件情報、顧客の声などを共有している。20名という会社規模だから情報の共有は容易で、各現場の工事進捗など、どの社員でも把握している。
小規模ゆえに社員のやりがいも生まれているようだ。中途採用で入社した営業マンは注文住宅や建売住宅、アパート、タウンハウス、テナントビルなど、木造、RCに関わらず、いろいろな物件を担当できて仕事の面白みを感じているという。それはまた自身のスキルアップにつながり、さらに上のレベルを目指す意欲を生んでいるようだ。
小川社長は「RCをずっと手がけてきた監督者が木造を担当すると、木造の改善点がよくわかります。逆に木造しか担当してこなかった監督者がRCを担当するとレベルアップが図れます。結果的に弊社の技術力が向上できるわけで、多彩な物件を手がけるうちの規模の会社だからこそ生まれる大きなメリットですね」と満足げだ。
そうした背景のもと、とくに大型の木造物件には大きな強みを発揮し、業界でも高い評価を得ている。ただ、今後は得意分野を伸ばす方向に舵を切る。「うちの主力の1つである建売では、交通の便とか、教育や自然環境の良さとか、良い土地を仕入れた業者が勝負に勝っていく。そういう意味では横並びなんですね。しかも今の福岡は土地も建材も人件費も上がっていて高止まり状態。うちのターゲットであるサラリーマン層では手の出ない価格になりつつあります。そこで、同じ土地面積ならうち独自のノウハウで2軒建てて、その分、価格を抑えるとか、特色を出していかないと成長が見込めません」。今後は平均点を取るのではなく120点を取れる商品をつくるよう社員に課題を投げかけているところだ。
13期目を迎えた今期、売上は23億円に届きそうだが、これらの独自色を打ち出すことでいずれは40億円を目指す。そして、九州のトップ100社に入ることを目標に掲げる。「これはぜひ達成したい」。小川社長はそういって、情熱を燃やしている。
(了)
<COMPANY INFORMATION>
代 表:小川 和敏
所在地:福岡市早良区飯倉3-38-3
設 立:2005年9月
資本金:2,000万円
TEL:092-833-6780
URL:http://www.ozkoumuten.com<プロフィール>
小川 和敏(おがわ・かずとし)
福岡市早良区出身。1967年3月13日生まれ。福岡工業高校卒。97年10月に小川工務店を創業。2005年9月に(有)OZ工務店に法人改組。07年11月には(株)OZ工務店に商号変更。趣味はおいしいものを探しての食べ歩き。法人名
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