2024年12月25日( 水 )

時代に沿った地場建設業の在り方を模索し、つくっていく(前)

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(株)未来図建設

挑戦を続ける総合建設業者

 創業116年目の老舗企業、(株)未来図建設。同社は地場総合建設業として、中高層ビル・マンションを始め商業・公共施設、ガソリンスタンド、戸建住宅の設計、施工など、さまざまな建築物をつくり続け現在に至っている。そのなかで、新たな工法などのソフト開発をして、技術の向上に努めている。

 同社のスタンスは、今後も不変であり、また常に新たな価値創造のために、全社一丸となり、日々邁進している。同社のホームページのトップには、社名への想いとして、『お客さまが思い浮かべる理想の未来=イメージを具体的な未来図=プランとして綿密に描き、的確に実現する』と明示し、「未来図とは、私たちの使命をありのまま表した名前であり、さまざまな約束の原点でもあります」と語りかけている。顧客の求めるものは、その時代により変わる。1世紀を超える歴史のなかで同社は、その時代に沿い、顧客の求める建築物を提供し続けている。

 「時代に合った建設業であることは、創業より不変の理念です。つまり、時代が求める建設業であることです。今は、インバウンドの需要が高まっていることによりホテルなど宿泊施設の建設や、大手企業を中心とした積極的な設備投資による工場建設などが活況です。これらがいつまで続くかは未知数ですが、私たちはいつも『時代の流れは早く大きく変わる』ことを心に刻みながら、時代に順応した建設業を目指していきます」(菅原正道代表)。同社のこれまでの実績を振り返ると、まさにオールラウンダーの建設業で、その時代のニーズに沿った挑戦を続けていることは明らかであり、それは同社の大きな強みでもある。

地場建設業としての人材育成

 同社の特徴は、社員および協力企業とのリレーションを大切にしていることだ。現在90名の社員が在籍しており、そのうちの約60%が現場を担当する。多数の現場を抱える同社にとって最前線の人材だ。竣工に向けてタイトなスケジュールをマネジメントしながら日々建設現場で奮闘する。よって工事現場への直行直帰が多くなり本社との距離感が出てしまう。

 菅原代表は「現場の社員は日々の仕事に集中しているため、なかなか本社に戻ることが少なくなっています。本社と建設現場が一体になったリレーションを構築することが必要です。なぜなら、現場監督は社長の代理人という位置付けだからです」とし、「お客さまに最高の仕事を提供するには、現場と本社が一体となって取り組んでいくことが必要です。そのために、本社から積極的にアプローチを行います。現場へ行って状況などを聞きながら対話するのはもちろんのこと、月1回、社員例会を開催し、社内コミュニケーションの場を創出しています。社員同士が顔を合わせて話すことが大切で、そこでより深く、密なリレーションをつくり上げていきます」と語り、社内の気運を高めることに尽力する。

 企業が社員1人ひとりと向き合い、尊重し、仕事をつくり上げることは、地場中小にこそできるスタイルで、それを同社は地道に実践している。その姿勢は、社員だけでなく同社の協力企業など取引先に対しても同様である。これにはまずは自らも含め、社員1人ひとりが人間力を高め、信頼・信用を築いていくこと。それらの積み重ねが営業力を向上させると力説する。

 同社のマインドを浸透させるための人材育成をより強化している。特別なことではないものの、重みがある内容である。たとえば新卒時に教育している内容を簡潔に示すと、(1)親や支援してくださる人々があってのことを自覚すること、(2)入社から3年間は、社会人として、建設業にかかわる人材としての基本を学ぶこと、(3)一級施工管理技士など資格を取得すること、(4)明確な目的と目標をもつこと。そして思い続けて必ず実現すること。

 これらは日々の仕事や研修などで繰り返し行われ、同社のマインドが伝承されていく。昨今、次世代の人材確保が非常に厳しいなか、定期的に新卒を採用する同社。即戦力の中途採用とともに、新卒の社員を一人前にすることが、同社の人材育成の根幹である。

(つづく)

<COMPANY INFORMATION>
代 表:菅原 正道
所在地:福岡市南区野間2-7-1
創 業:1902年10月
設 立:1952年11月
資本金:9,900万円
TEL:092-511-1311
URL:http://www.miraizu.co.jp

<プロフィール>
菅原 正道(すがはら・まさみち)
 1954年3月13日福岡市生まれ。福岡大学卒業。79年4月、(株)未来図建設(旧・福岡金子組)に入社し、常務取締役に就任。91年1月、同社取締役副社長を経て、93年11月、同社代表取締役社長に就任。

 
(後)

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