カンボジア地雷撤去キャンペーン、20周年を迎えて(6)
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(一財)カンボジア地雷撤去キャンペーン理事長
大谷 賢二 氏最後にCMCの建設した学校には水道は論外ですが、井戸水も出ず、泥水を飲まざるを得ない状況が続きました。そこに手を差し伸べて頂いたのが的野寛会長の「ひまわり会」でした。「青少年の健全育成」を綱領に掲げていますが、定期的な募金活動によって集まった資金で雨水を大型タンクに溜めて蛇口から取水する「ひまわりの泉」を提供してくれました。まず、2011年11月「CMCコーントライ夢中学校」に1号機、続いて2015年3月に「CMCボップイ安倍小学校」に2号機を、現在3号機目を目指して活動して頂いておりますが、これまで泥水を飲んできた子どもたちが、蛇口から出る水を飲む嬉しそうな姿は忘れられません。「ひまわり会」のメンバーの皆さまが福岡市の天神地区を中心に声を嗄らして道行く人に募金を呼び掛けている姿は感動的でもあります。的野寛会長、小林賢治副会長のリーダーシップで熱く燃える支援団体です。
このように、私は活動を通して多くの感動を得てきたのです。
これらを含む多くの事を昨年、海鳥社様より出版された「地雷原の子どもたちとともに」の中で、詳しく書き述べています。私の思いが国内の子どもたちに広がり、その国内での活動がいかにカンボジアの地雷原で苦しむ人や子どもたちの笑顔に繋かってきたか…ご一読いただければ幸甚に存じます。
2011年の東日本大震災、2016年熊本大地震、2017年朝倉豪雨と日本は厳しい状況が続き政治の不安定さの中で、CMCの活動も苦しい時期が続いていますが、これまでカンボジアに根付いてきた活動を中途半端に終わらせるわけにはまいりません。その為には資金基盤を強固にする必要があり、募金は大切ですが、震災などが起きるとそちらに流れるので不安定なため、確実なベースとして月々安定したかたちで入る賛助企業を増やしていくことが重要である。また、現金の募金に変わり、「書き損じはがき」や未使用の切手、テレカなどの回収を行い現金化するなど、新たな資金調達方法を確立する必要もあります。現在CMCが掲げる目標は、(1)カンボジアに於ける地雷被害者ゼロを実現する(2)地雷原に暮らす人に教育を提供する(学校建設・教育支援)(3)地雷原に暮らす人や、地雷被害者に働く場を提供する(就業支援)(4)日本国内における利他主義(地球人教育)の普及、です。
今後の活動として具体的には、(1)についてはこれまで通り、地雷撤去のカウンターパートである、MAG、CSHD、などへの支援を継続するとともに、ラジオ番組「ボイス・オブ・ハート」を使った地雷回避教育を実施していく(2)についてはこれまで地雷原に建設した学校のフォローアップを続けながら、新たな小学校の建設を行う(バッタンバン市から73kmの場所にある地雷原Om Pev Lerkに新しい小学校を建設する)(3)については昨年2017年から畜産指導員による教育活動を行って来た「養豚・放牧プロジェクト」の実施を今年3月から始めている。(4)は、国内の小・中・高・大の各学校での授業や、企業、行政、地域などあらゆる場所での授業や講演、国際イベントへの参加による広報活動などを積極的に行うなどである。カンボジアは今、経済発展の真っただ中にあり、今後ますますの発展が期待されています。 2013年4月4日に結成された西日本カンボジア友好協会も5周年を迎え日本、とりわけ福岡からの企業進出も期待されています。同時にそれは都市部と地雷原のような農山村地帯の格差の拡大をも意味しています。私たちはこれからも、地球人として、アジアの日本人として、最も厳しい立場に置かれた人たちのために活動を続けていく所存です。今後とも皆さまのご支援を賜りますよう心よりお願い申し上げます。
(了)
▼当日の講演の様子▼
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