2024年12月23日( 月 )

魚食普及の情熱を胸に 日本の食卓を支えるアキラグループ(後)

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(株)アキラ水産

安定した基盤とやりがいを見出せる現場が人材育成を促す

 今やグループで社員100名、売上高100億円を誇るまでに成長を遂げた同社。その成長を支えているのは徹底した「顧客第一主義」と同企業で働く「人材」だ。アキラ水産では顧客の声を決して軽視せず、「無理です。できません」というような対応はしない。顧客の声に耳を傾け、自分たちができる最善を提供する。こうした姿勢が、長く付き合ってくれる顧客との関係を築いているのだ。

 顧客との上手な関係づくりは、常に顧客目線で業務に取り組むことができる人材が育っているからこそ成り立っているといえる。これは同社が1人ひとりを現場で実践的に教えること、若手でも大きな仕事に関われること、そして幅広い事業展開によりグループ企業への異動も可能なことなど、社員が安心して何十年先も働ける環境が整っていることが大きな要因となっている。

 同社の場合、総合仲卸事業だけでなく、太物事業、特種物事業、冷凍・塩干物事業、加工・通販事業、直販事業といった業務を展開しているため、漁獲量によって不安定になる水産業界にあっても安定した経営を行える。基盤が強いからこそ、社員に将来の不安を与えず目の前の仕事に没頭できる仕組みができているのだ。

 アキラ水産の取締役副社長兼グループの営業統括責任者を務める上田浩祐氏は「私たちの仕事は衣食住の『食』に関わる、なくてはならないもの。魚離れが嘆かれていますが、私はピンチこそ最大のチャンスだと考えています。たとえば、魚の料理教室を開くとたくさんの人がきてくれる。こうした活動を続けることで市場自体が拡大し、消費者も小売業者も豊かになれるのではないでしょうか。この仕事を始めるのに専門的な知識はいりません。夢を描いて業界の未来を変えていきたいという方、ぜひお待ちしています」と新たな人材に向けて語りかける。

 近年、入社した若手社員たちは「自分で選んだ魚を身近な人に食べてもらえる。こんなやりがい、ほかにはないですね」「入社して魚がおいしいということを改めて知り、価値観が変わりました」「面倒見の良い方ばかりで働きやすい」「限られた時間内に仕事をこなさなければならないが、その分、達成感がある」と目を輝かせる。

 安部代表や上田副社長を始めとした先輩たちが現場で若手の頑張りを見るという環境も、人材をさらに成長させる原動力となっているといえる。

(了)

<COMPANY INFORMATION>
代 表:安部 泰宏
所在地:福岡市中央区長浜3-11-3-711
設 立:1969年9月
資本金:4,850万円
TEL:092-711-6601
URL:https://www.akirasuisan.co.jp

<プロフィール>
安部 泰宏(あべ・やすひろ)
 1939年3月福岡市生まれ。福岡大学附属大濠高校卒業。(株)アキラ水産の代表取締役会長兼社長を務める一方、全国水産物卸組合(連)副会長や九州地区水産物卸組合(連)会長、福岡市鮮魚仲卸(協)理事長を務める。2005年に藍綬褒章、11年に旭日雙光章を受章。

 
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