ド派手なセレブ生活は続くのか(1)~ストーンマーケット
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天然石アクセサリー販売で急成長を遂げた(株)ストーンマーケット(本社:福岡市中央区、中村泰二郎社長)。いろいろな商業施設で店舗を目にした人も多いだろう。中村社長のド派手なセレブ生活も有名だが、徐々に業績に陰りが見え始めている。話題には事欠かない同社の現状を検証してみよう。
<ミドルクラスのアクセサリーで急成長>
同社の主要ターゲットである10代、20代の女性に、同社商品について聞くと答えはさまざまだ。「以前は買っていたが最近は買わない」「もう流行っていない」との声がある一方で、「新商品の化粧水やルームフレグランスを買っている」とのファンもいる。人気を持続しているのかどうか、業績面の検証をする前に、同社の成り立ちから見ていこう。ストーンマーケットの1号店は1994年、熊本市上通り町にオープンした。バブル経済はすでに崩壊し、タイムラグのある九州でさえ景気は低迷している時期だ。本来なら商売を始める時期としては不適当なのだが、中村社長は「景気が悪い時期こそチャンス」と勝負に打って出た。以来、破竹の勢いで出店した同社は、ピーク時には150店舗まで拡大した。
中村社長の石との出会いは米国のアリゾナ州。放浪の旅をしていたときに、耳にピアスをつけたネイティブ・アメリカンの子供たちに興味を持った。地球のかけらである石をお守りとして身につけ、自然とともに生きる。この発想にインスピレーションを感じ、「日本にこの文化を伝えたい」と持ち帰ったのが創業のきっかけだという。今でこそパーツを自分で組み合せてオリジナルのアクセサリーを作る人も増えたが、逸早く比較的安価でオリジナリティ溢れる石のアクセサリーブームを創ってきたのは、間違いなくストーンマーケットだ。高価な宝石を施したブランド品か、安価なイミテーションしかなかった市場に、ミドルクラスのアクセサリーとして登場したのが、同社のアクセサリーだった。日本では馴染みが薄かった天然石を使ったアクセサリーは、斬新なデザインが人気を博し、若い女性だけでなく男性にも広がった。それまで日本では、石を身につけている人は少なかったが、同社の成長とともに石のアクセサリーは浸透していった。今では国内のみならず、海外のセレブやスポーツ選手、芸能人にまで広がっている。
創業当時は原料調達から石の加工、装飾加工のネットワークを築くことが大変だったという。その後、主に南米で原料を調達し、中国でカッティング、タイで装飾加工するルートを確立し成長軌道に乗った。現在では米国のアリゾナ州で開催される世界最大規模の「ツーソン・ミネラルショー」や、ブラジル、スリランカ、オーストラリアなどから原石をトン単位で買い付け、デザイナーでもある中村社長を中心にデザインを施し、タイを中心とする東南アジアのライセンス工場でアクセサリーに加工している。そうして完成したアクセサリーを輸送し日本で販売されている。
(つづく)
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