「この国を変えるのはみんな」と山本太郎氏、政治変革への参加訴え~さいたま
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れいわ新選組の山本太郎代表は11日、さいたま市のJR浦和駅前で街頭記者会見を開き、「政治を疑え」と政治主体への監視を促す一方、「この国を変えるのはみんな。ぜひ力を合わせてひっくり返していきたい」と運動への参加を呼び掛けた。政権奪取後は「まっとうな行政」を実現するため、内閣人事局制度を温存する意向を示した。
午後6時40分すぎに始まった会見には雨が降り出しそうな空の下、約400人が集まった。
最初に質問に立った男性は、「太郎さんを応援している」としながら、周りから民主党政権の「失敗」を持ち出され、「また失敗するのではないか」と向けられると告白。疑念を払拭する秘策はないかと迫った。
山本氏は「それでいい。信じるものではない、政治を疑え。政党を疑え、山本も疑え」と監視を促す一方、「ただ、そういうスタンスをもちながらも、力いっぱい応援をしていただきたい」と訴えた。
「なぜなら、ちょっとしたことで『もういいや』となってしまうと、そこから力を持ち続けられない」と、2010年6月の鳩山由紀夫政権の退陣劇を例示した。沖縄に駐留する米軍基地の「最低でも県外」への移設を公約に掲げていた鳩山氏は、米軍の基準がヘリコプター部隊と訓練場との距離を65カイリ(120km)以内に定めているとの官僚の偽造文書によって辞任に追い込まれた。
山本氏は「都合の悪いことをしたら、いろいろなところで足を引っ張られる。それに対し、マスコミが垂れ流すものにそのまま『そうだ、そうだ』と盛り上がって退陣まで追い込まれる結果になった」と振り返った。
「私なら、NHKで生放送する。『すいません。普天間から移そうとしたんですけど、アメリカさんがこういう紙でこういうルールにしていたんです』とやったら、外務官僚は大変なことになる」と対抗策を提案。国民との情報共有の大切さを強調した。
そのうえで、「支える方にも気合いが要る。だってそれ、実現したいんだろう。前に立っているフロントマンだけが頑張ってという話ではない。この国を変えるのはみんなじゃないですか。ぜひ、力を合わせてひっくり返していきたい」と呼び掛けた。
次に若い男性がマイクを取り、「山本太郎なんて知らない。私はゆとり世代の失敗作。政治家なんか関係ない。いがみ合ってどうするんだ」などと悪態をついて去った。
山本氏は「彼のなかにもいろいろな憤りがあるのだろう。卑下はやめよ」と引き止め、「それぞれを認めるときにきている。でも、認めるに足る何かがない」と語り始めた。派遣法廃止や消費増税など、財界の求めに従うばかりの経済政策が20年以上のデフレを生み、それによって多くの国民が自信を奪われていると分析した。
「コントロールしやすい人間は、自信をもっていなくて毎日ぎりぎりの生活をしている方ではないか。1人ひとりが自信を取り戻し、社会をこうしていきたいという人が増えれば、コントロールする方に非常に厄介」と述べ、政府投資による生活の底上げを主張した。
別の男性が、「巨大な権力を倒すには、霞が関の善良な官僚に内部告発を呼び掛けてはどうか。れいわの議員になれると誘惑して」と提案した。
山本氏は、「丁寧に断られる。そっちのほうがキャリアや家族を守れるから」と退ける一方、悪政に振り回されている官僚に同情を示し、「本当なら、この国に生きる人々が幸せになる施策のために官僚のアイデア、頭脳を使わせていただくのが本当の行政」と説いた。
鳩山政権が米国や自民党への「忖度(そんたく)」によって足を引っ張られたことを踏まえ、「内閣人事局をつぶしてはいけない」と主張。「私たちの考えをちゃんとセットアップしてくれる行政マンとして逆に利用し、まっとうな行政がなされるようなかたちにしていくべき」との考えを示した。
内閣人事局は第2次安倍晋三内閣が2014年に創設。各省庁の審議官級以上約600人の幹部人事を担う。森友・加計学園の両疑惑に象徴されるように、この制度によって官邸の顔色をうかがう行政運営が展開されてきた。
<プロフィール>
高橋 清隆(たかはし・きよたか)
1964年新潟県生まれ。金沢大学大学院経済学研究科修士課程修了。『週刊金曜日』『ZAITEN』『月刊THEMIS(テーミス)』などに記事を掲載。著書に『偽装報道を見抜け!』(ナビ出版)、『亀井静香が吠える』(K&Kプレス)、『亀井静香—最後の戦いだ。』(同)、『新聞に載らなかったトンデモ投稿』(パブラボ)。ブログ『高橋清隆の文書館』。▼関連リンク
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