22年地価公示は「ららぽーと効果」顕著に(前)
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商業地
上昇率3位(県内1位)
「祇園町4-60」(博多祇園プラザビル)
公示価格は210万円/m2で前年の178万円/m2から18.0%上昇した。前年も12.7%の伸びだったが、今回さらに伸びた格好となった。上昇の要因としては、昨年の地価調査と同じく、「博多エリア」の拡張と地下鉄七隈線の延伸によるものと見られる。
国体道路に面した博多祇園プラザビルは、地下鉄空港線・祇園駅から徒歩2分にある7階建の小型オフィスビル。周辺はオフィスやホテル、店舗などが混在するほか、博多らしく寺院も目立つ。近隣では、17年に閉鎖された結婚式場・アーフェリーク迎賓館跡地で西鉄がホテル開発を行っているほか、その目前では地下鉄新駅・櫛田神社前駅の建設が進められている。また、南に5分ほど歩けば、4月から段階的な移転が進められる「博多区新庁舎」が完成。現庁舎は今年6月から解体工事に着手し、藤田公園として再整備される。この新藤田公園の全面供用は25年1月を予定している。上昇率5位(県内2位)
「博多駅南3-13-30」(タイガー魔法瓶(株)福岡支店)
公示価格は56.8万円/m2で、前年の48.9万円/m2から16.2%上昇した。前年も7.5%の伸びだったが、さらに伸びた。上昇の要因は、博多祇園プラザビルと同じく博多エリアの拡張も考えられるが、「ららぽーと福岡」開業の影響も大きい。後述するが、とくに住宅地ではららぽーと福岡周辺の地価上昇が目立っており、近接する「博多駅南」の上昇にも影響していると見られる。
タイガー魔法瓶(株)福岡支店の立地の用途地域は商業地で、容積率400%、建ぺい率80%。駅からの距離はあるが敷地も広く、投資用、実需要どちらも検討できるマンションデベロッパー垂涎の立地だ。仮にマンション用地として売り出せば、坪単価200万円は超えるだろう。隣接地では(株)モダンプロジェが賃貸マンション「(仮称)Modern Palazzo博多駅南Ⅴ」(34戸)の建設を進めている。上昇率6位(県内3位)
「渡辺通2-3-24」(DAIREI5ビル)
公示価格は104万円/m2で、前年の90万円/m2から15.6%上昇(前年は9.9%上昇)した。天神エリアの繁華街にも近く、西鉄・薬院駅、地下鉄七隈線・渡辺通駅いずれも徒歩5分以内に擁する。渡辺通や城南線といった幹線道路沿いには、電気ビルはじめオフィスビルが集積するが、DAIREI5ビルが接する道路沿いには主に飲食店が軒を連ねている。高密度に低層の建物が林立しており、仮に大規模開発するとすれば、時間がかかるエリアだ。
そういうエリアながら、DAIREI5ビルの向かいでは(株)アライアンスによる分譲マンション開発が進められている。将来的には投資用としても転用できるコンパクトマンションとして企画された「ミスモ天神」は、23年3月完成予定。公示価格が上昇した要因は、天神エリアの拡張および七隈線延伸が考えられる。【永上 隼人】
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