2024年05月20日( 月 )

次の10年に向けて人材育成に注力 多様化する需要に対応できる組織へ

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司法書士法人みつ葉グループ
代表社員 宮城 誠 氏

司法書士法人みつ葉グループ 代表社員 宮城誠 氏

 2012年の創業以来、急成長を続けてきた司法書士法人みつ葉グループ。従業員約230名を抱え、福岡では天神ビジネスセンターにオフィスを構えるまでになった。今後のさらなる成長のために、現在取り組んでいる人材育成やDX推進などについて、宮城誠代表に話を聞いた。

社員が自身のキャリアを
見つめ直す機会を

 ──創業10周年が経過し、何か新しく取り組まれていることはありますか。

 宮城誠氏(以下、宮城) 昨年より、マネジメント層向けの研修プログラムとして「ミツトレ」を開始しました。これはマネジメントスキルを習得するためのカリキュラムで、これまで約30本の動画を制作・配信しました。この動画ではリーダーシップ、心理的安全性のつくり方、ティーチングとコーチングの違いなど、役職者に身につけてほしいマネジメントの手法をイチから学ぶことができます。約1年をかけてプログラム化し、学びのベースを構築することができたと感じます。

 次に考えるべきは「役職者がそれをどう活用していけるか」です。現在、役職者は約30名おりますが、各々がどのような思いをもち、どのようなキャリアビジョンを描いているのか、完全には把握できていないことに気づき、その状態ではこのプログラムの効果も半減してしまうと危惧しました。

 そこで今年7月から役職者向けに、外部のキャリア担当者との「キャリア面談」を開始しました。これまでは上長が行っていたものですが、内容によっては上長には話せないこともあると思います。そのため、外部担当者を通して各人の思い描くキャリアを聞いています。まずは役職者からスタートしましたが、将来的には全社員に展開していきたいと考えています。

 もちろん、このプログラムはまだ完成形ではありません。まずはこのプログラムを軌道に載せることで、社員1人ひとりのもつ潜在能力を引き出し、組織力を高め、最終的には「次世代育成」のツールとしても運用していきたいと考えていきます。

 ──社員のエンゲージメント(貢献意欲)向上のために、どのようなことを軸に置いていますか。

 宮城 社員のエンゲージメントには物理的待遇、成長の機会、つながり・連帯感、企業理念への共感という4つの要素が必要であると考えます。みつ葉グループは、お客様へ価値を提供するうえで組織力が重要だと考えており、採用活動においてもつながり・連帯感や企業理念への共感を打ち出してきました。

 創業以来、とにかく事業を成長させるための組織体制を整えるべく人材採用に尽力してきた一方で、研修体制の整備が追いつかず、成長の機会の数値は決して高くない数値でした。ミツトレやキャリア面談を通して成長の機会を創出しつつ、社員の納得感のある待遇を提示していくことで、物理的待遇も向上させていきたいと考えています。

自動化が進む業務
司法書士の価値とは

司法書士法人みつ葉グループ ──業務を行ううえでDXに取り組んでいることはありますか。

 宮城 登記、相続、債務整理の3つの事業を柱としていますが、債務整理においては、以前よりシステム化に取り組んでおり、CRM(顧客関係管理)を導入し一元的に顧客管理を行っていました。

 しかし、登記・相続においてはシステム化が進まず、GoogleスプレッドシートやExcelでの管理が続いていました。小規模の事業展開であればそれでも十分ですが、現在の規模や今後の事業展開を考えるとその管理が限界を迎えることは確実であることから、DXの取り組みとして、登記・相続においてもCRMの導入に着手しました。

 このCRMの導入により、問い合わせの情報から工程管理まで一元的に把握することができます。工程管理についてはスプレッドシートなどでも行うことができますが、顧客管理においては既存の仕組みでは不十分でした。当社では多くの顧客情報を有しておりますので、その情報を管理するシステムを確立することで、新しい価値を生み出していけると考えています。

 ──業務の自動化・定型化が進むなかで、司法書士の仕事はどのような部分が重要視されるようになるのでしょうか。

 宮城 今後、仕事を行ううえで司法書士が書類をつくる必要はなくなり、AIがその部分を請け負うことになるでしょう。しかし、手続きのなかで相手が本当に本人であるかどうか、手続きが適正に行われているか、という確認作業は、司法書士の役割としていつの時代にも必要だと考えています。また、AIではなく司法書士が自ら行うことがお客様からの信頼にもつながると思います。

 AIやITを使いこなすことができれば、より少ない人数で多くの案件に対応することができるようになります。今後も司法書士法人として、登記・相続・債務整理という3つの事業を柱に実績を重ねていくことはもちろん、司法書士としてそれら以外の分野の幅を広げ、多様化するニーズに対し、柔軟に対応ができように新しい分野を常に模索したいと考えています。

【杉町 彩紗】


<COMPANY INFORMATION>
代 表:宮城 誠
東京本社:東京都港区虎ノ門5-12-11
     NCOメトロ神谷町4F・5F
福岡オフィス:福岡市中央区天神1-10-20
       天神ビジネスセンター9F
設 立:2013年9月
資本金:3,500万円
TEL:03-6263-0317(東京本社)
    092-406-8920(福岡オフィス)
URL:https://mitsubagroup.co.jp

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