2024年05月22日( 水 )

「もう天井?」2024年地価公示、福岡はさらに上昇(2)

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【商業地】上昇率上位

 商業地の上昇率で1位となったのは、「竹丘町2-1-11」で、上昇率は21.6%となった。3月に開業したばかりの西鉄の新駅・桜並木駅まで徒歩3分、同・雑餉隈駅までも8分、JR南福岡駅までも徒歩6分という立地にある低層のオフィスビルで、近隣には金融機関などが軒を連ねる。2位の「清川2-4-19」は百年橋通りと住吉通りをつなぐ道路沿いの角地にある賃貸マンションで、何と4年連続で15%超の上昇率となった。3位は地下鉄・大濠公園駅まで徒歩2分、大濠公園にも近い「荒戸2-1-5」で、年々上昇率を伸ばしている地点。4位は「中洲5-2-6」(18.9%)で歓楽街・中洲とは一線を画すビジネス街としての特徴もあり、ホテル開発も活発なエリア。コロナ禍を経て大きく上昇した。5位は「荒戸1-5-20」(18.2%)で、那の津通りに面する賃貸マンション。近隣では、桜十字グループとJR九州グループが共同で開発した「りすのこスクエア」が今年1月に開業している。

【博多区】
博多駅の南・東エリア

 次に、3年連続で10%以上の上昇率となった地点を見ていこう。福岡市博多区からは26地点。やはり目立ったのは、JR博多駅の周辺エリアとららぽーと福岡の周辺だ。百年橋通りの外側でも地価高騰が顕著で、「博多駅南」「美野島」では賃貸マンションの建設ラッシュが続いており、開発を見込んだ物件の転売も少なくない。「博多駅東3-3-16」「博多駅南1-14-14」など、百年橋通りの内側ではm2単価が100万円を超えたほか、3年以上も2ケタ増を続けている。昨年10月には、エリア内でJR九州(株)と福岡地所(株)がオフィスビル・サンライフ第3ビル(博多駅東2丁目)と賃貸マンション・RJRプレシア博多駅南(博多駅南2丁目)を互いに売買したことも記憶に新しい。また、取引事例では博多駅まで徒歩10分を超えるエリアでも、坪単価が1,000万円に迫るものも散見されている。

 このように、博多駅の東側・筑紫口エリアでは賃貸マンション需要を背景にした取引が活発となっているが、NTT都市開発(株)らが開発を手がけたオフィスビル・博多イーストテラス(22年8月竣工)、JR九州らが開発を手がけたオフィスビル・コネクトスクエア博多(24年3月竣工)など「博多コネクティッド」による再開発プロジェクトも竣工を迎え始めた。さらに、筑紫口からわずか徒歩1分のホテル跡も売却の機運が高まっているという情報もあり、「ここなら2,000万円/坪でも買いたいというところはあるだろう」(不動産業)とも言われている。県内の商業地で4番目に高い地価となった「博多駅東1-12-6」からも近い立地だ。

 県内で2番目に高い地価となった「博多駅前3-2-1」の南側隣地では、「西日本シティ銀行本店本館建替えプロジェクト」が進められているほか、西側隣地ではPark-PFIによる明治公園の整備が予定されている。

(つづく)

【永上 隼人】

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