入ってはいけない会社(4)~超ワンマン社長の会社
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ワンマン社長、カリスマ経営者が率いる会社が悪いと言うわけではありません。企業が成長・発展していく過程では、強力なリーダーシップが必要になります。とくに創業間もない時期は、会社の経営基盤の弱さをワンマン社長のパワーで乗り切っていくケースも多いものです。時代背景にも関係があり、高度経済成長期には、そうしたワンマン社長、カリスマ経営者が大活躍しました。経済規模の拡大に合わせて会社の規模も拡大する時代は、強いリーダーシップでシンプルに突き進むことが成功への近道でした。現在では大企業に成長している企業も、昔はそうした社長に率いられて会社が大きくなっていったのです。
しかし社会が成熟し複雑化するにつれ、1人のリーダーシップでは会社を経営することが難しくなってきているようです。最近、アメリカでは、2人代表制や3人代表制の会社でなければ、ベンチャーキャピタルが投資しない傾向が出てきたと言われています。これは社会が複雑になり多様化し、1人の能力では企業経営を行うための対応が難しくなっているからです。2人なり3人なりが、それぞれの専門性と特性を生かして会社の経営を進めていく。そうした経営スタイルでなければ大きな成長が望めないと思われているのです。
以前は、船頭多くして船山に登るではありませんが、リーダーが2人も3人もいる状態はあまり良い経営スタイルだと思われていませんでした。しかし時代は変わりました。経営に必要な知識は多様化し、ビジネスに直結する知識だけでなく、法的な知識やITリテラシーなども必要とされています。
「強者生存ではなく適者生存」とはビジネスの世界でもよく言われます。現在は経営環境の変化も早く、社会的なトレンドも意識しながらスピーディーに意思決定をしていかなければなりません。1人の能力ではなく組織としての対応力の時代へ入ってきているのです。ワンマン社長やカリスマ経営者の魅力だけではなく、組織としてどのような力を持っているかを見極め、就職活動していく必要があるでしょう。
(つづく)
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