2024年11月22日( 金 )

働き方のダイバーシティ~「地域限定正社員」のメリット・デメリット(1)

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 「今住んでいるエリアから離れたくない」「家庭の都合で引越しができない」「転勤がない企業や職種に就職先を絞らざるを得ない」――こういった悩みを抱える求職者は多いものです。転勤がないことを第一条件にしての就職活動をすると就職後のミスマッチにもつながりかねません。
 企業側からは「新卒採用でも、福岡を離れたくないから、採用を辞退するという例が後を絶たない」という声が聞かれ、採用促進を阻む一因となっているようです。
 こういった状況を考慮し、厚労省では3月中にも、若者雇用促進法に基づく指針などを改定し、「地域限定正社員」の導入を企業に要請する方針を明らかにしました。

 労働政策研究・研修機構の調査によると、地域限定正社員を検討する就職活動中の大学生は、全体の72.6%にもおよびます。実際、1日、2日に福岡市で開催された合同企業説明会でも、学生から「福岡もしくは近郊の県の企業で、転勤がないのが第1条件」と勤務地を重視した回答が多く、とくに女子学生にその傾向が強く見られました。

一般的に正社員とは、期間の定めのない労働契約を締結し、フルタイムで働く労働者のこと。安定した雇用が保証される代わりに、配置転換や残業が発生することが多々あります。
 一方の「地域限定正社員」とは、一定の地域内での配属や異動を条件に契約する正社員のこと。期間の定めのない労働契約を締結する点は同じですが、勤務地・職種・労働時間などを限定して働くことができます。
 パート・アルバイトなどの非正規社員は、転勤なし・残業なしといった条件で働きやすいものの、契約期間が定まっており、雇用に不安があります。
 正社員と非正規社員の中間にあたる限定正社員は、条件が限定的であっても雇用期間に定めがないため、安定した雇用を得ることができるというメリットとなります。
しかし、労働条件の縛りがあるため、給与などの処遇に格差が生じます。賃金水準は一般的に正社員の8~9割程度であることが多いようです。


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