ふくおかフィナンシャルグループの実力(3)~当然ながら福岡銀行出身で固められる
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常勤役員12名中3名がお涙抜擢
FFGは2015年3月期で、早くも第8期目の決算を迎えた。8期の配当は普通株式の配当総額は103億736万3,556円になった(1株年間12円の勘定である)。また、第一種最優先株式に関しては、総額2億6,238万8,000円の配当を行った(1株年間14円)。後で分析するが、FFGが確実に事業基盤を固めているのは一目瞭然である。
さて、人事面で見ていこう。(表1参照)14名の取締役中、2名は外部取締役である。FFGのトップ経営陣は、会長・谷正明氏、社長・柴戸隆成氏、副社長・吉戒孝氏の3名で構成されている。そしてこの3名は、福岡銀行の会長、頭取、副頭取を占めている。当然と言えば当然な布陣だ。残りの9枠には、福岡銀行取締役4名、親和銀行2名、熊本銀行3名と振り当てられている。外部の感覚では、「熊本銀行よりも親和銀行の方が格上」と考えるのだが、逆の扱いになっていることには驚く。親和銀行は不良債権を抱えているため経営内容が劣るということであろう。12名の常勤取締役のなかで、福岡銀行出身者が9名を占めている。熊本銀行、親和銀行を福岡銀行が救済する意味でFFGが設立されたという背景がある。強者が人事を牛耳ることは世の習わしだ。それでも、旧・熊本相互銀行、旧・肥後相互銀行、親和銀行それぞれの出身者1名ずつに取締役の枠を与える人事のバランス感覚はまだ残っている。次期役員改選が行われれば1名減じて、3年以内にはFFGの常勤役員は福岡銀行出身で固められるであろう。
役員報酬は少ない
外部取締役は2名、安田隆二、髙橋秀明両氏とも華麗なるキャリアの持ち主である。アメリカ企業の要職に就き、両者とも大学教授もこなしている。また両氏とも、福岡銀行の非業務執行取締役を兼務しているのが共通点である。加えること2人は、FFG設立以来の取締役に就いている。設立当初から、両氏の貴重な経験が活かされてきたことが推測される。重責を果たしてきた功労者なのである。
では、役員報酬はどれだけ得ているのか!!定款または株主総会で定められた報酬限度額は、取締役が月額3,000万円以内と定めてある。「意外と多いなー」と思ったが、現実は厳しい。15年3月期、14名の取締役に支給される報酬総額は2億7,700万円と計上されてある。一人頭年収2,000万円弱だ。「これでは少ないな。もう少しというか、2倍とっても良いじゃないか」というのが直感的な結論である。谷会長が福岡銀行から代表取締役会長の報酬をいくら取っているかは定かではないが、FFGと合算で年収2億円とっていても、おかしくはない。監査役3名体制福銀出身1名
15年3月期まで社外監査役として長尾亜夫氏、貫正義氏が就任していた。長尾氏は西日本鉄道、貫氏は九州電力とそれぞれ要職にあった。福岡財界中枢の要人を社外監査役に据えていたのだが、15年4月からは1名減じて3名の監査役体制へ移行した。(表2参照)1名は福岡銀行生え抜き、2名は社外である。それぞれに優秀な専門家たちだ。3名の監査役に対する15年3月期報酬総額は3,000万円である。監査役の報酬限度額は月額6,000万円以内となっているが、これまた意外に安い感じがする。
(つづく)
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